数学A / 場合の数
和の法則・積の法則
問題
あるレストランには、前菜が3種類、主菜が4種類、デザートが2種類ある。
(1) 前菜・主菜・デザートを1品ずつ選ぶとき、選び方は何通りか。
(2) 主菜またはデザートのうち、どれか1品だけを選ぶとき、選び方は何通りか。
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『続けて選ぶ(前菜も主菜もデザートも)』のか『どちらか一方だけ』なのかを見分ける。前者は各段階の数をかける、後者はたす — この使い分けがカギ。
解答・解説
方針
この問題は、2つのやり方(かけ算・たし算)を使い分けるのがねらいだ。
見分け方は、問題文のつなぎ言葉にある。「〜して、さらに〜する」と続けて選ぶときはかけ算。「〜または〜」でどちらか一方だけのときはたし算。
(1)は前菜・主菜・デザートを続けて3品選ぶのでかけ算。(2)はどちらか1品だけなのでたし算だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「たすのか、かけるのか」— 場合の数で最初にぶつかる分かれ道だ。見分け方は つ。
「 つとも選ぶ(かつ)」ならかける。「どれか 品だけ(または)」ならたす。
(1)は前菜も主菜もデザートも選ぶ。前菜 通りのそれぞれについて主菜が 通り、そのそれぞれについてデザートが 通り — 枝が枝分かれしていくのでかけ算。
(2)は主菜かデザート、どちらか一方だけ。 品しか選ばないのだから、選択肢は主菜の 種類とデザートの 種類を並べただけ。重なりもない( つの料理が主菜でもデザートでもある、ということはない)。だからたし算。
「かつ」か「または」か — 問題文の日本語を読み直すのが、最初の一手である。
(1) 前菜の選び方は3通り。その1つ1つに対して主菜が4通りずつ、さらにその1つ1つに対してデザートが2通りずつある。続けて選んでいくので、数をかけていく。
イメージとしては、前菜3本の枝がそれぞれ主菜4本に分かれ、さらにデザート2本に分かれる木を思い浮かべるとよい。枝の先の数がかけ算になる。
(2) 今度は1品だけ選ぶ。それが主菜のときとデザートのときは、同時には起きない(1品だけだから)。こういうときはたす。
(1)でかけて(2)でたした違いは、「続けて選ぶ(かけ算)」か「どちらか一方だけ(たし算)」かの1点だけだ。問題文の「1品ずつ」と「どれか1品だけ」を読み分けよう。
発展 — 一歩先へ。 積の法則には、見落としやすい条件がある。「前菜を選んだ結果、主菜の選択肢が減る」ようなことが起きない、という前提だ。
もし「和風の前菜を選んだら、主菜は和食 種類からしか選べない」というルールがあれば、単純な は使えない。場合分けして、それぞれで積の法則を使い、最後に足すことになる。
積の法則で数え、和の法則でつなぐ — 複雑な数え上げは、たいていこの組合せでできている。順列 も「 人選ぶごとに候補が 人減る」という変化する選択肢を積の法則で扱ったものだ。
大事なのは「 段目を決めたとき、 段目の選択肢は何通りか」を毎回きちんと問うこと。それが一定なら単純なかけ算、変わるなら場合分け。この問いを飛ばさないことが、数え上げの正確さを支えている。
(1) 24通り (2) 6通り
別解
かけ算とたし算の違いを、絵で見て区別できるようにしよう。公式でなく形で覚えれば、迷わない。
積の法則は「長方形の面積」。
前菜を行、主菜を列にして表を作る。前菜 種類 主菜 種類 行 列の表ができ、マスは 個。マス つが「前菜と主菜の組合せ つ」だ。
さらにデザートが 種類。 個のマスそれぞれが 階建てになると思えばいい( 階がデザートA、 階がデザートB)。立体の箱で言えば のブロック。
選ぶものが増えるたびに、次元が つ増える — これが積の法則の絵だ。
和の法則は「箱を横に並べる」。
(2)では、選べる料理を書き出してみる。
- 主菜: ( 個)
- デザート: ( 個)
品だけ選ぶのだから、この 個の中から つ指さすだけ。
表のマスにはならず、 列に並ぶ。 掛け算になる余地がない。
見分けの合言葉。
- かけ算: 選択が続く(前菜を選んだ、その上で主菜も選ぶ)。「 して、さらに 」
- たし算: 選択肢が並ぶ(主菜から選ぶか、デザートから選ぶか)。「 か、または 」
なお和の法則には重要な前提がある。 つのグループに同じものが入っていない(重なりがない)ことだ。もし「主菜にもデザートにもなる一品」があったなら、単純に足すと二重に数えてしまう — そのときは重なりを引く(それが個数定理だ)。和の法則と個数定理は、地続きの話である。
ポイント
- 続けて選ぶ(かつ)ときは、各段階の数をかける
- どちらか一方だけ(または)のときは、数をたす
- 決め手は「かつ(かけ算)」か「または(たし算)」かの読み分け
よくある間違い
- (2)で とかけてしまう(1品だけなのにかけている)
- (1)を「前菜または主菜または…」と読み違えてたしてしまう
- 和の法則を、重なりのあるグループにそのまま使う(重複があるときは引き算が必要)