数学I / 2次方程式・2次不等式

2次方程式・2次不等式 ★ 基礎の問題 全12問

教科書レベル。定義・公式の確認と基本操作

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 因数分解による2次方程式の解法
  2. 解の公式による2次方程式の解法
  3. 判別式と実数解の個数
  4. 文字係数の2次方程式(実数解をもつ条件)
  5. 放物線とx軸の共有点
  6. 2次不等式の解法(基本)
  7. 2次不等式(D=0・D<0の場合)
  8. 連立2次不等式
  9. 絶対不等式(すべての実数で成り立つ条件)
  10. 放物線と直線の共有点
  11. 解の配置(異なる2つの正の解)
  12. 2次不等式の文章題(長方形の面積)

問1因数分解による2次方程式の解法

★ 基礎2次方程式因数分解

問題

次の2次方程式を解け。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

『積 なら、どちらかが 』を使うので、まず左辺を因数分解する。(1)はかけて定数・たして中央の2数、(2)は共通因数、(3)は の係数が でないのでたすき掛け。

解答・解説

方針

2次方程式 は、左辺が因数分解できれば、それがいちばん速い。使うのは『2つのものの積が0なら、少なくとも一方が0』という性質。 なら か 、つまり か 。因数分解 → 積=0 → 各因数=0、の流れ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 次方程式は、まず因数分解できないかを疑う。できれば解の公式よりずっと速い。

因数分解の後に使う原理は つだけだ。 ならば または

(2)の は、両辺を で割ってはいけない。割ると という解が消える。必ず と移項し、 と因数分解する。両辺を割ってしまうのが、いちばん多い間違いである。

(1) を因数分解。かけて10・たして7の2数は2と5。

積が0なので、 か 。よって 。

(2) は、まず右辺を左に移して の形にする。

共通因数 でくくる。

か 。よって 。(両辺を で割って だけにしないこと。 の解が消えてしまう。)

(3) をたすき掛けで因数分解する。

よって から か 、。

まとめ:2次方程式はまず因数分解を試す。『積が0 → 各因数が0』が解法の芯。(2)で両辺を で割らない(解を落とす)ことに注意。

発展。 「 で割ってはいけない」理由を、論理の言葉で言い直すとこうなる。割り算は「 で割らない」という条件つきの操作だからだ。 の両辺を で割るとき、暗黙に を仮定している。だから が答えの候補から消えてしまう。

正しい手順は「移項して の形にし、因数分解する」ことだ。これなら で割る危険が原理的にない。方程式を解くときは必ず の形に集めてから、が原則である。この教訓は 次方程式でも、分数方程式でも変わらない。

答

(1) (2) (3)

別解

出した解が正しいかは、解と係数の関係で 秒チェックできる。 の 解を とすると

和は の係数の符号を変えたもの、積は定数項になる。因数分解 を展開すれば当たり前だ。

(1) 、解 :

  • 和: ( の係数 の符号を変えたもの)
  • 積: (定数項)

どちらも合っている。符号ミスがあれば、この 行で必ず見つかる。 の係数が でない(3)では、 に対し

解 で確かめると、和 、積 。

因数分解の 数探しと、解と係数の関係は、同じことの裏表。「かけて 、たして 」で 数を探す作業は、解の和と積を先に知っていることと同じだ。だから検算にも使える。

ポイント

  • 因数分解して『積=0 → 各因数=0』
  • は に移項し、共通因数でくくる
  • 両辺を で割らない( の解が消える)

よくある間違い

  • (2)で両辺を で割り、 の解を落とす
  • 因数分解の2数・たすき掛けの符号を間違える
  • から解を とする(符号が逆。)

問2解の公式による2次方程式の解法

★ 基礎2次方程式解の公式

問題

次の2次方程式を解け。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

因数分解できないときは解の公式。 を正しく読み取って代入する。特に が負のとき の符号に注意する。ルートの中()を先に計算すると見通しがよい。

解答・解説

方針

因数分解できない2次方程式は、解の公式で解く。 の解は 。 を正確に読み取って、代入するだけ。符号のミスがいちばん多いので、 の中を1つずつ計算しよう。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 因数分解できないときは、最後の手段として解の公式を使う。

代入するだけだが、ミスは決まった場所で起きる。

  • の符号: が負なら はプラスになる(引き算でなく足し算)
  • で割る範囲: 分子全体を割る( だけでなく根号の項も)

(1)の なら となる。マイナスとマイナスで足し算になる。

公式解の公式

解の公式を使う。

(1) 。

の符号に注意( が負なので中が足し算になる)。

(2) 。 が偶数なので、少し簡単な形になる。

(これは のときの公式 ()を使った形。ふつうの公式でも同じ になる。)

(3) 。

まとめ:解の公式は を正確に代入し、 の中を1つずつ計算する。 が負のときの符号(足し算になる)に特に注意。

発展。 解の公式は平方完成から導かれる。 を で割って平方完成すると

両辺の平方根をとれば公式が出る。根号の中の (判別式)は、右辺の分子にある。この値が負なら平方根がとれず、実数解が存在しない、という次の問題の話につながる。

公式の の部分は 次関数の軸の位置そのもの。 解は「軸から だけ離れた 点」だ。解は軸について対称という図形的事実が、公式の形に表れている。

答

(1) (2) (3)

別解

が偶数のときは、根号の中が小さくなる簡易版の公式が使える。計算量がはっきり減る。( の係数が と偶数)のとき

(。 で約分した形だ。)

(2) : は偶数なので 。

根号の中が になる( ではない)。約分の手間なしで、既約な形が直接出る。通常の公式で解くと となり、 の変形と約分が要る。 手間多い。

の部分は「」と呼ばれ、判別式の代わりにそのまま符号判定に使える。 の係数が偶数なら を使う。これを習慣にすると、この後の判別式・解の配置の計算がずっと軽くなる。

検算はやはり解と係数の関係で。、。

ポイント

  • 因数分解できないときは解の公式
  • の中を1つずつ、符号に注意して計算
  • が偶数なら簡単な形の公式も使える

よくある間違い

  • の符号( が負のとき足し算)を間違える
  • で割るのを、分子の一部だけにしてしまう
  • 根号の中が簡単にできるのに()そのままにする

問3判別式と実数解の個数

★ 基礎判別式

問題

次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

解を求めなくても、個数だけなら判別式 の符号でわかる。・・ が、それぞれ何個に対応するか。まず を計算しよう。

解答・解説

方針

2次方程式が実数解を何個もつかは、解の公式の の中身 (=判別式 )の符号でわかる。 なら が実数で の2解、 なら で重解(1個)、 なら が実数でなく解なし(0個)。 を計算して符号を見るだけ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 解を求めずに、個数だけを知りたい。そのための道具が判別式だ。

これは解の公式の根号の中身。根号の中が正なら で 解、 なら 解(重解)、負なら平方根がとれず実数解なし。

  • → 個
  • → 個(重解)
  • → 個

計算するのは の符号だけで、値そのものは要らない。

xyOD > 0(2個)D = 0(1個)D < 0(0個)
判別式の符号とグラフと x 軸の位置関係
公式判別式 。:実数解2個、:1個(重解)、:0個

実数解の個数は判別式 の符号で決まる。

(1) 。

なので実数解は2個。

(2) 。

なので1個(重解)。

(3) 。

なので0個(実数解なし)。

まとめ: の符号を見るだけで、方程式を解かずに解の個数がわかる。 の計算(特に符号)を正確に。

発展。 (2)の のように、 の方程式は必ず完全平方の形になる。「 ⟺ 完全平方」は因数分解できるかの判定にも使える。

でも「解がない」わけではない。数IIで虚数を学ぶと、 の方程式にも 個の解(共役な複素数解)があることが分かる。今は「実数の範囲では解なし」と正確に言う必要がある。考える数の範囲を広げると、解の個数の答えが変わる。数学の答えは「どの範囲で考えるか」によって変わることがある。

答

(1) 2個 (2) 1個 (3) 0個

別解

判別式の意味はグラフと 軸の交わり方を見れば絵になる。 の放物線と、 軸()の交点の個数が、実数解の個数だ。

  • : 放物線が 軸を突き抜ける → 交点 個
  • : 放物線が 軸に接する → 交点 個(重解)
  • : 放物線が 軸に届かない(浮いているか沈んでいる)→ 交点 個

(3)の を平方完成すると

頂点の 座標が で下に凸なので、谷底が 軸より上に浮いている。だから 軸と交わらず、解なし。 という計算と、完全に同じことを言っている。

の意味は「 の値が常に同じ符号になる( にならない)」ということ。この事実は次の 次不等式( が常に成立、など)で直接使う。

判別式から「解の個数」だけでなく「グラフの高さ」も分かる。この読みかえができると、 次の問題の見通しが一段よくなる。

ポイント

  • 実数解の個数は判別式 の符号
  • で2個、 で1個(重解)、 で0個
  • 方程式を解かなくても、個数だけならわかる

よくある間違い

  • の計算で符号( や )を間違える
  • を『解なし』としてしまう(重解1個)
  • の値を求めるだけで、個数を答え忘れる(問われているのは個数)

問4文字係数の2次方程式(実数解をもつ条件)

★ 基礎判別式文字係数

問題

は定数とする。

(1) 2次方程式 が実数解をもつような の値の範囲を求めよ。

(2) 2次方程式 が重解をもつような の値を求めよ。また、そのときの重解を求めよ。

ヒントを見る

『実数解をもつ』は 、『重解』は に言い換えられる。 を の式で表して、不等式・方程式として解く。重解のときは、そのときの解()も求める。

解答・解説

方針

『実数解をもつ』条件は判別式 。『重解をもつ』条件は 。だから、 を の式で表して、(または )を について解けばよい。判別式が『解の存在条件を の式にする道具』になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「実数解をもつ条件」を判別式の不等式に書き直す。

(1)「実数解をもつ」は「 個または 個」なので、 だ( ではない。重解も実数解だ)。

(2)「重解をもつ」は ちょうど。 から 。

条件の日本語を の不等号(または等号)で正確に表す。この型でやることはそれだけである。

公式実数解をもつ 、重解をもつ

(1) が実数解をもつ条件は 。 なので

より

これを解くと 、。

(2) が重解をもつ条件は 。 なので

より

よって または 。( のとき方程式は で重解 、 のとき で重解 。)

xyO接点 (2,0)2
重解 ⇔ 放物線が x 軸に接する(D=0)。図は m=4:y=(x−2)²

まとめ:『実数解をもつ』は 、『重解』は 。判別式を の式にして、条件を の不等式・方程式に書き直すのがコツだ。

発展。 条件の日本語と の対応を、表にして頭に入れておきたい。

日本語 の条件
異なる つの実数解をもつ
実数解をもつ
重解をもつ(接する)
実数解をもたない

「実数解をもつ」と「異なる つの実数解をもつ」の違い(等号の有無)が、最頻の減点ポイント。問題文を 語ずつ読む習慣が要る。

が の式になったとき、 という不等式は についての 次不等式や 次不等式になる。(2)の は の 次方程式。 の 次方程式を調べるために、 の方程式を解く。このように調べる文字を入れかえるのが、文字係数の問題の基本的な考え方である。

答

(1) (2) のとき重解 、 のとき重解

別解

(2)で重解の値を求めるとき、方程式に代入し直す必要はない。軸の位置が答えだ。(接する)とき、接点はちょうど放物線の軸の真下にある。だから重解は

この問題では なので、重解は 。

  • のとき、重解
  • のとき、重解

を代入して方程式を解き直す手間がいらない。公式 に を入れるだけだ。検算しておこう。 なら方程式は で、確かに重解 。

なぜ重解が軸の位置になるのか。解の公式 で とすれば、 の部分が消えて だけが残るからだ。 解が軸の左右に で開いていたのが、 で軸の 点に重なった。それが「重解」という言葉の意味だ。

と軸と解の関係を、 つの絵として持っておくと、この後の解の配置問題が楽になる。

ポイント

  • 実数解をもつ → 、重解をもつ →
  • を文字()の式にして、条件を解く
  • 判別式は『解の存在条件を文字の式にする道具』

よくある間違い

  • 『実数解をもつ』を としてしまう(重解も含むので )
  • の計算で の代入を間違える
  • (2)で の値だけ答え、重解 を求め忘れる

問5放物線とx軸の共有点

★ 基礎2次関数のグラフ共有点

問題

次の2次関数のグラフと 軸の共有点の個数を求めよ。また、共有点があるときは、その座標を求めよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

『グラフと 軸の共有点』=『 とおいた2次方程式の解』。個数は判別式、座標は方程式を解いて。高さ の 軸であることに注意。

解答・解説

方針

放物線 と 軸()の共有点は、 とおいた2次方程式の実数解のこと。だから共有点の個数 = 実数解の個数 = 判別式 で決まる。共有点があれば、方程式を解いて 座標を求め、 が座標。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「グラフと 軸の共有点」は、 とおいた方程式の実数解そのもの。

だから判別式で個数を判定し、解があればその値が共有点の 座標になる。座標を答えるときに注意する。共有点は 軸上の点だから、 座標は必ず だ。 のように、 座標の を必ず書く。

公式放物線と 軸の共有点 とおいた2次方程式の実数解(個数は判別式で決まる)

軸との共有点は とおいた2次方程式の解。

(1)

xyO−24
(1) y = x² − 2x − 8 は x 軸と 2 点で交わる

を解く。

の2解。だから共有点は2個で、、。

(2)

xyO接点 (3, 0)
(2) y = x² − 6x + 9 = (x−3)² は x 軸に接する

を解く。

の重解。共有点は1個で (放物線が 軸に接する)。

(3)

xyO頂点 (−2, 2)
(3) y = x² + 4x + 6 = (x+2)² + 2 は x 軸と共有点をもたない

の判別式を見る。

なので実数解なし。共有点は0個(放物線が 軸より上にある)。

まとめ:共有点の個数は『 の2次方程式の実数解の個数』。 で2個(交わる)、 で1個(接する)、 で0個(交わらない)、と対応する。

発展。 (2)の「接する」()は、 つの交点が重なった状態と読める。 のグラフを少し下げれば( など)交点が つに割れ、少し上げれば になる。接するのは、 個と 個の境目の瞬間だ。

「グラフと 軸の位置関係」は、次の 次不等式の解法そのものになる。 の解は「 のグラフが 軸より下にある の範囲」で、共有点 の間だ。方程式で交点を求め、不等式で範囲を読む。この 段が 次不等式の基本の手順である。

答

(1) 2個、、 (2) 1個、 (3) 0個(共有点なし)

別解

(3)で「共有点なし」となる理由を、平方完成の絵で確かめておこう。判別式の計算とは独立の検証になる。

頂点は で、 の係数が正だから下に凸。つまり、この放物線のいちばん低い点でも で、 軸()より だけ浮いている。どこまで行っても 軸に届かない。

は常に正なので、 になる は存在しない。共有点 個だ。判別式 と同じ結論だが、平方完成の方法なら「なぜ交わらないのか」まで説明できる。

この見方は つの場合すべてに使える。

  • (1) 頂点の 座標がマイナス → 谷底が 軸より下 → 突き抜けて 交点
  • (2) 頂点の 座標がゼロ → 谷底がちょうど 軸 → 接して 点
  • (3) 頂点の 座標がプラス → 谷底が浮いている → 点

「判別式の符号」と「頂点の高さの符号」は同じことを言っている(下に凸のとき、 と頂点の 座標は符号が逆)。 つの道具の関係を押さえておくと、次の 次不等式で「常に正」を判定するときに強い。

ポイント

  • 軸との共有点 = の2次方程式の解
  • 個数は判別式 。2個(交わる)/1個(接する)/0個(交わらない)
  • 共有点の座標は (解が 座標)

よくある間違い

  • 共有点の座標を などとする(正しくは )
  • (接する)を見落とす
  • 個数だけ答えて座標を書き忘れる(または座標だけで個数を答えない)

問62次不等式の解法(基本)

★ 基礎2次不等式

問題

次の2次不等式を解け。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

まず として因数分解し、 軸との交点を出す。下に凸なら『 は交点の内側、 は外側』。(3)は の係数が負だ。先に全体に をかけ、不等号の向きも変えて下に凸に直す。

解答・解説

方針

2次不等式はまず とおいて因数分解し、 軸との交点を求める。あとはグラフ(放物線)を見て、 が正(不等式が )または負()になる の範囲を読む。

下に凸の放物線なら『2解の外側で正、内側で負』。(内側)は間、(外側)は2つに分かれる、と覚える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 次不等式は、グラフのどこが 軸より上(下)かを読む問題だ。

手順は 段。

  1. とおいて解く(因数分解で交点を求める)
  2. グラフの概形(下に凸か上に凸か)を描く
  3. 不等号に合う範囲を読む( なら 軸より下、 なら上)

下に凸なら「 は 解の間、 は外側」。(3)のように の係数が負なら、まず 倍して正にする(不等号の向きが反転)。

公式下に凸の (): の解は内側 、 の解は外側 または

(1)

xyO−34
(1) グラフが x 軸より下(y < 0)になるのは −3 < x < 4

。因数分解すると で、交点は 。

下に凸の放物線で、(負)になるのは2交点の内側。

(2)

xyO−53
(2) グラフが x 軸以上(y ≥ 0)になるのは x ≤ −5、3 ≤ x

。交点は 。

(0以上)になるのは2交点の外側(交点も含む)。

(3)

xyO14
(3) 上に凸のグラフが x 軸より上(y > 0)になるのは 1 < x < 4

は の係数が負。両辺に をかけて(不等号の向きが逆になる) にする。

因数分解すると

は交点 の内側。

まとめ:2次不等式は『 で交点を求め、放物線を見て正・負の範囲を読む』。 は内側(間)、 は外側(2つ)。 の係数が負なら、先に をかけて向きを直す。

発展。 「 は間、 は外」という覚え方は、下に凸のとき限定だ。上に凸(3)なら逆になる。だから 倍して下に凸に揃えるのが安全だ。 倍で不等号が反転することを忘れなければ、常に「間か外か」の つのルールで済む。

次不等式は、 次関数のグラフの知識がそのまま使われる場面だ。方程式は「点」を、不等式は「範囲」を求める。この対比は 次でも 次でも同じ形で、「方程式を解いてから、不等式の範囲を読む」という 段構えは、あらゆる不等式の基本形である。

答

(1) (2) (3)

別解

グラフを描かず、因数の符号表で機械的に解く方法もある。 の符号を、 の値ごとに調べる。 つの因数が符号を変えるのは と だ。この 点で数直線を 区間に割る。

区間 積

(積が負)になるのは真ん中の区間なので、答えは 。表の「」というパターンに注目したい。下に凸の放物線は必ず「正・負・正」の 区間に分かれる。グラフの絵と表が完全に一致する。

この符号表の強みは、 次以上でも同じ手順が使えること。 のような 次不等式でも、 点で区間を割って各因数の符号を追えば、機械的に答えが出る(数IIで学ぶ)。

グラフ派か表派かは好みだが、「解の間か外か」を暗記するのではなく、符号を追って導く習慣をつけておくと、 の係数が負のとき(上に凸)にも迷わない。表なら 倍せずにそのまま処理できる。

ポイント

  • 2次不等式は で交点を求め、放物線で正・負の範囲を読む
  • 下に凸で『内側が負()、外側が正()』
  • の係数が負なら、 をかけて不等号の向きを直す

よくある間違い

  • (内側)と (外側)を取り違える
  • (3)で をかけるとき、不等号の向きを変え忘れる
  • 解を求めた後、境界を含むか( か )を取り違える

問72次不等式(D=0・D<0の場合)

★ 基礎2次不等式判別式

問題

次の2次不等式を解け。

(1)

(2)

(3)

(4)

ヒントを見る

因数分解や平方完成で、グラフが 軸とどう接するか見る。 は『 以外すべて』、 は『 の1点だけ』。(交わらない)なら、下に凸は常に正。

解答・解説

方針

(接する)や (交わらない)の2次不等式は、因数分解や平方完成の形から、グラフを思い浮かべて判断する。

は0以上でしかない、 は必ず正(3以上)、というように、平方完成した形から『いつも正/0以上』が分かる。特殊な答え(『◯以外のすべて』『すべての実数』『解なし』)になることを恐れずに。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) や のとき、 次不等式の答えは特殊な形になる。「範囲」ではなく「すべて」「解なし」「 点だけ」だ。

平方完成して、 の値がどこにあるかを見るのが確実。

  • (1) では、 乗は 以上だ。 になるのは のときだけなので、それ以外のすべて
  • (3) では、左辺は最小でも だ。常に成立するので、すべての実数

「範囲が出ないと不安」になるが、「すべて」「なし」も立派な答えである。

公式実数の2乗は 以上:(等号は のときのみ)

(1)

xyOx = 4 を除く
(1) y = (x−4)² は x = 4 で 0、それ以外では正

なので

2乗は0以上で、0になるのは のときだけ。(0より大きい)を満たすのは、 以外のすべての実数。

(2) なので

2乗は0以上なので、(0以下)になるのは のときだけ。

(3)

xyO頂点 (2, 3)
(3) y = (x−2)² + 3 は常に x 軸より上(すべての実数で成立)

平方完成すると

なので、これは必ず3以上、つまり必ず正。 はいつも成り立つので、答えはすべての実数。

(4) 平方完成すると

これは必ず4以上で、必ず正。(0以下)になることはないので、解なし。

まとめ: の2次不等式は平方完成して『いつも正か・0になるのはどこか』を見る。答えが『◯以外のすべて』『すべての実数』『解なし』になるのが特徴だ。

発展。 (3)の「すべての実数で 」は、絶対不等式と呼ばれる。「常に正」とは かつ下に凸という 条件のことだ。次の問題ではこの条件を逆に使って の範囲を求めることになる。

の場合の答え( のみ、 以外のすべて)は、「範囲」ではなく「点」で答えるという珍しい形。 次不等式の解が「 点」や「 点を除く全体」になることがある。この可能性を知らないと、答えが出せずに手が止まってしまう。答えの形が 通りある(範囲・外側・すべて・なし・ 点)ことを、あらかじめ知っておくのが大事だ。

答

(1) 以外のすべての実数 (2) (3) すべての実数 (4) 解はない

別解

問の答えを、判別式と不等号の組み合わせ表で整理すると、丸暗記なしで導ける( の係数が正の場合)。

の解 の解 の解 の解
( 交点 ) 外側 外側(端含む) 間 間(端含む)
(接する、重解 ) 以外すべて すべて なし のみ
(交わらない) すべて すべて なし なし

(1) : (重解 )、不等号 → 以外のすべて

(2) : (重解 )、不等号 → のみ

(3) : 、不等号 → すべての実数

(4) : 、不等号 → 解なし

表の の行がいちばん間違えやすい。 は「 より大きい」なので ( 乗が になる)だけが除外される。「すべて」と答えると を含んでしまい誤りだ。等号の有無で答えが変わる、繊細な行である。

の行は「グラフが 軸に届かない」= の符号が一定ということだ。だから答えは「全部」か「なし」の 択にしかならない。グラフの絵を思い浮かべれば、表は覚えなくても再現できる。

ポイント

  • を使い、平方完成の形で判断
  • は 以外、 は だけ
  • は必ず正 → はすべての実数、 は解なし

よくある間違い

  • を『すべての実数』としてしまう( を除く)
  • 『解なし』や『すべての実数』を答えにできず、無理に範囲を出す
  • (2)の を と読み違えて「解なし」とする( の 点が解)

問8連立2次不等式

★ 基礎連立不等式2次不等式

問題

次の連立不等式を解け。

ヒントを見る

2つの不等式をそれぞれ解いて範囲を出す。そのあと数直線に両方かいて『重なる部分』が答え。端が か かを正確に。

解答・解説

方針

連立2次不等式はそれぞれの2次不等式を別々に解いて、両方を満たす範囲(共通部分)を答える。各不等式を因数分解して範囲を出し、数直線に2つの範囲をかいて、重なりを読む。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 連立不等式は「別々に解いて、重なりを取る」。 次のときと手順は同じだ。

つを数直線に描いて、両方を満たす部分を読む。片方が「間」、もう片方が「外側 つ」なので、重なりを丁寧に拾うことが大事だ。

x-125②②①共通範囲
①: −1 < x < 5、②: x ≤ −1 または 2 ≤ x で、共通範囲は 2 ≤ x < 5

それぞれの2次不等式を別々に解く。

1つ目 を因数分解すると

は内側なので 。

2つ目 を因数分解すると

は外側なので または 。

共通部分 と『 または 』の両方を満たす範囲を、数直線で読むと

まとめ:連立2次不等式は『別々に解いて共通部分』。数直線に2つの範囲をかいて、重なりを丁寧に読むのがコツだ。

発展。 今回は 式の共通部分が つの区間になったが、 つの離れた区間になることもある(たとえば①が「外側」、②も「外側」の場合)。数直線を描かずに勘で答えると、こういうケースで片方を落とす。必ず図か表で確認するのはそのためだ。

連立不等式の答えは「集合の共通部分()」そのもの。集合と命題の単元で学んだ が、ここで具体的な計算として現れている。「 は重なり、 は合わせる」。記号と作業が一致していることを確かめておきたい。

答

別解

重なりの取りこぼしを防ぐには、境界点で数直線を区切って、区間ごとに を書くのが確実だ。境界は の 点。数直線が 区間に割れる。

区間 ① ② または 両方
× ○ ×
×(含まない) ○ ×
○ × ×
○ ○ ○
×( 含まず) ○ ×

両方が○になるのは だけ

この表の利点は境界点の扱いが自動で決まること。 は②に含まれ()、①にも入る()から答えに含む。 は①から外れる()ので含まない。 は①から外れるので除外する。迷うところはない。

検算は代入で。: 、 で、両方満たす。: だが で、②を満たさないので正しく除外されている。

境界点で区切って表を作る方法は、連立不等式・絶対値・場合分けのすべてで使える確実な手続きである。

ポイント

  • 連立2次不等式は、別々に解いて共通部分をとる
  • 各不等式を因数分解して範囲を出す
  • 数直線で重なりを読む(端の含む・含まないに注意)

よくある間違い

  • 共通部分でなく、片方だけを答える
  • 端の等号(≦か<か)の処理を間違える
  • 側の重なりを見落とす( は①に含まれないので答えに入らない)

問9絶対不等式(すべての実数で成り立つ条件)

★ 基礎絶対不等式判別式

問題

すべての実数 に対して、2次不等式 が成り立つような定数 の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

『すべての実数で 』は『下に凸のグラフが 軸と一度も交わらない』と同じで、つまり だ。 を で表して を解く。 の係数が正であることも確認。

解答・解説

方針

『すべての実数 で成り立つ』という条件は、絶対不等式という。 が、どんな でも正になるには、放物線が 軸より上に完全に浮いていればよい。下に凸の放物線が 軸と交わらない(共有点0個)条件は、判別式 。だから を について解く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「すべての実数 で 」とは、グラフが常に 軸より上にある、ということだ。

条件は つ。

  1. 下に凸( の係数が正)。今回は係数 で自動的に満たす
  2. 軸と交わらない()。谷底が浮いている

ではないことに注意。 だと接してしまい、その接点で となって「」が破れる。

xyO頂点が x 軸より上
「すべての実数 x で y > 0」⇔ グラフ全体が x 軸より上 ⇔ D < 0

が『すべての実数 で成り立つ』とは、下に凸の放物線が 軸より上に浮いていて、 軸と交わらないということ。

公式すべての実数で () (下に凸で 軸と交わらない)

共有点0個の条件は

判別式 を計算する。 なので

より

左辺を因数分解する。

は内側なので

まとめ:『すべての実数で 』は『下に凸で 軸と交わらない』= 、と言い換える。 の係数が正(下に凸)であることも確認する(ここでは1で正)。

発展。 この問題では の係数が (正)と決まっていたが、係数にも文字が入る場合( が常に成立する の条件)は、「 かつ 」の 条件が要る。 の符号を確認せずに だけ見ると、上に凸(常に負)の場合を見逃す。凸の向きの確認は必須の第 手である。

「すべての で成り立つ」という条件を、判別式という つの数の符号に置き換える。こうして条件をひとつの数にまとめられるのが、 次関数の理論の便利なところだ。無限個の についての主張が についての 次不等式 本に置き換わっている。

答

別解

「 か か」は境界の を実際に試すとすぐに決着する。 の境界は と 。

を元の不等式に代入してみる。

のとき となり、 は より大きくない。だから「すべての で 」は破れる

は答えに含めてはいけない。つまり は除外で、条件は だと確定した。もし問題が「すべての で 」なら、 でも は成立するので、条件は になる。不等号に等号が入るかどうかが、 の条件の等号と連動する。

範囲内の値でも確かめよう。 なら で、確かに常に成立。

境界を代入して破れるか試す。この 分の作業が等号の有無という最頻の減点を確実に防ぐ。 の範囲を求める問題では、必ず境界を吟味する習慣をつけたい。

ポイント

  • 『すべての実数で 』→ 下に凸で 軸と交わらない →
  • の係数が正(下に凸)であることを確認
  • を の不等式にして解く

よくある間違い

  • としてしまう( だと接して の点ができ、 が破れる)
  • の係数の符号を確認しない
  • の計算で の代入を誤る()

問10放物線と直線の共有点

★ 基礎共有点放物線と直線

問題

次の放物線と直線の共有点の個数を求めよ。また、共有点があるときは、その座標を求めよ。

(1) 放物線 と直線

(2) 放物線 と直線

ヒントを見る

放物線と直線を連立(等しいと置く)すると2次方程式になる。その解の個数=共有点の個数、解の を式に戻せば座標。

解答・解説

方針

放物線と直線の共有点は、2つの式を連立して(=等しいとおいて)できる2次方程式の解。 を消して2次方程式にし、解を求める。解の個数が共有点の個数。共有点の座標は を求めて、どちらかの式に代入して を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 つのグラフの共有点」は、連立して解く。 を消去すれば の 次方程式になる。

(1) を整理して

この方程式の実数解の個数がそのまま共有点の個数。判別式で判定してもいいし、因数分解できるなら解いてしまえばよい。 が出たら、 座標も忘れずに求める。直線の式に代入するのが楽だ( 次式なので計算が軽い)。

(1)

xyO(−3, 0)(2, 5)
(1) 放物線と直線は 2 点 (−3, 0)、(2, 5) で交わる

公式放物線と直線の共有点 連立してできる2次方程式の実数解

放物線 と直線 を連立する。 を消して

整理して

の2解。共有点は2個。 は直線の式 に代入して、 で 、 で 。座標は 、。

(2)

xyO接点 (−1, 2)
(2) 放物線と直線は点 (−1, 2) で接する

放物線 と直線 を連立する。

整理して

の重解。共有点は1個(接する)。。座標は 。

まとめ:放物線と直線の共有点は『2式を連立してできる2次方程式の解』。個数は解の個数(判別式)、座標は を式に代入して を求める。

発展。 「接する」という関係は、数IIの接線の話につながる。「放物線に接する直線を求めよ」という問題は、直線 とおいて連立し、 となる条件を課す。これは今回の(2)の逆問題だ。 は接線を特徴づける方程式である。

数IIIでは微分を使って接線を求めるようになるが、 次曲線に限れば の方が速いことも多い。「判別式で接線」は円と直線の接する条件(数II)でも同じ形で使われる。 次の式が出てくる問題で広く使える方法である。

答

(1) 2個、、 (2) 1個、

別解

(2)の は「接する」ことを表す。この特別な関係を、絵と式の両面で押さえておこう。 を整理すると

完全平方になった。重解 は「放物線と直線が 点で触れ合う」ことを意味する。直線は放物線の接線だ。

⟺ 完全平方 ⟺ 接する。この つの言い方は同じ事実を表している。

接点の座標は を直線に代入して → 。放物線に代入しても となる。両方に代入して一致を確認すれば、計算ミスが捕まる(共有点なのだから、当然どちらでも同じ値になるはずだ)。

「 次方程式の解の個数」と「グラフの交点の個数」は完全に対応する。この対応は 軸との交点(前問)だけでなく、任意の直線との交点でも成り立つ。 軸は「 という直線」の特別な場合にすぎなかったのだ。

さらに一般に、 曲線の交点は「連立方程式の解」だ。円と直線、 つの放物線でも同じ手順(連立 → 消去 → 判別式)が通用する。共有点の問題ならいつでも使える手順として身につけたい。

ポイント

  • 放物線と直線の共有点 = 2式を連立した2次方程式の解
  • 共有点の個数 = 解の個数(判別式 )
  • 座標は を求め、式に代入して を出す

よくある間違い

  • 連立して整理するときの移項ミス
  • 共有点の 座標を求め忘れる((,0) にしない)
  • を「共有点なし」としてしまう(接するので 個)

問11解の配置(異なる2つの正の解)

★ 基礎解の配置判別式

問題

2次方程式 が異なる2つの正の解をもつような定数 の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

解を求めるのではなく、グラフの形で条件を作る。下に凸で『異なる2つの正の解』にするには、 軸の正の部分で2点で交わればよい。①、②軸が正、③ の3つを同時に満たす。

解答・解説

方針

『異なる2つの正の解をもつ』条件は、放物線と 軸の交わり方をグラフで考える。下に凸の放物線が 軸の正の部分で2点で交わる状況だ。

必要な条件は3つ:①異なる2解 → 、②2解とも正 → 軸(頂点の )が正、③(グラフが 軸で正=交点が原点より右)。この3つをすべて満たす。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「異なる つの正の解」とあり、解の個数だけでなく場所まで指定されている。 だけでは足りない。

グラフ(、下に凸)で考えると、 交点がどちらも 軸の正の側にある条件だ。それには つが必要になる。

  1. 。そもそも 交点がある
  2. 軸 。 交点の真ん中(軸)が正の側にある
  3. 。 軸との交点が上にある( の左側に交点が来ない)

条件をすべて満たす を求める。 つでも欠けると答えが違ってくる。

xyO軸 x = mf(0) > 0
異なる2つの正の解: D > 0、軸 > 0、f(0) > 0 の3条件(図は m = 4 の例)

とする。平方完成すると

公式異なる2つの正の解 ① ②軸 ③(3つすべて成立)

軸は 。下に凸の放物線が、 軸の正の部分で異なる2点で交わる条件は、次の3つをすべて満たすこと。

① 異なる2解 → : 判別式が正。

より 、、 または 。

② 2解とも正 → 軸が正: 軸 、つまり 。

③ : 、つまり 。

3つ( または )かつ()かつ()を、数直線ですべて満たす範囲をとると

まとめ:『異なる2つの正の解』は、グラフで『下に凸が 軸の正の部分で2点交差』とイメージし、・軸が正・ の3条件で表す。3つとも忘れずに。

発展。 解の配置の 条件は解と係数の関係でも言い換えられる。 解 がともに正 ⟺ 「 かつ かつ 」。和と積が両方正なら、 数はともに正だからだ(積が正で同符号、和が正なら両方正)。

この問題では (軸 と同値)、( と同値)となり、グラフの条件と、解と係数の条件が完全に対応している。図形的に考えるか代数的に考えるか、好きな道を選べる。

「ともに負」なら和が負・積が正、「異符号」なら積が負( は自動)というように、配置のパターンごとに条件が決まる。・和・積の つで、 解の位置関係はすべて記述できるというのが、この分野の中心的な考え方である。

答

別解

つの条件がなぜ全部必要かは、 つずつ外した反例を見ると納得できる。

もし だけなら: を試そう。 だが、方程式は で解は となり、両方とも負だ。「正の解」の条件が完全に無視されている。

もし と 軸 だけなら: 軸は なので 。だが の符号を見ていないと、 のとき(この問題では起きないが、一般には) 解が負、 解が正という配置を許してしまう。 軸との交点が 軸より下なら、放物線は の左右で 回ずつ 軸を切るからだ。

条件を絵で言い直すと

  • : 放物線が 軸を 回切る
  • 軸 : 交点の中心が右側にある
  • : での値がプラス( より左に交点がない)

この つが揃って初めて、 交点が両方とも正の側に閉じ込められる。計算すると、 から または 。軸の条件 と合わせて 。 は の範囲で自動的に成立するので、答えは 。

検算しよう。: 方程式 、解は で、両方正。

解の配置は「・軸・端点の値」の 点セットで調べる。この型は区間内に解を持つ条件など、より複雑な配置問題の基本形になる。

ポイント

  • 解の配置はグラフで考え、条件を式に直す
  • 異なる2正解 → ① ②軸 ③ の3条件
  • 3つすべての共通範囲をとる

よくある間違い

  • 3条件のどれか(特に軸 や )を忘れる
  • だけで判断してしまう
  • 最後に 条件の共通部分を取り忘れる(それぞれの範囲の重なりが答え)

問122次不等式の文章題(長方形の面積)

★ 基礎2次不等式文章題

問題

周囲の長さが の長方形をつくる。縦の長さを とするとき、この長方形の面積が 以上となるような の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

周の長さから『縦+横』が決まる → 横を で表す。面積 を2次不等式にして解く。 が長さとして意味を持つ範囲にも注意。

解答・解説

方針

周40cmの長方形。縦 なら、縦+横 、横 。面積 が96以上、という条件を2次不等式にする。

2次不等式を解いて、 の範囲を求める。定義域(縦も横も正)にも注意。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 文章題は式を立てるまでがいちばん大事だ。

周 は「縦 本 横 本」だから、縦 横 。縦が なら横は 。面積が 以上、を不等式にすると

整理すると という 次不等式になる( 倍で不等号が反転することに注意)。因数分解して から 。長さの条件()も満たしている。

xyO812
x² − 20x + 96 ≤ 0 となるのは 8 ≤ x ≤ 12

周40cmなので、縦+横 。縦が なら横は 。面積が96以上という条件は

展開して整理する。

(両辺を で整理して、不等号の向きが変わった。)左辺を因数分解する。

は内側なので

(縦 も横 もこの範囲で正なので、定義域も満たしている。)

まとめ:面積の条件を2次不等式にして解く。周から『縦+横 』を出し、横 とするのが第一歩だ。

発展。 もし条件が「面積 」なら、答えは の 点だけ(正方形のみ)。 なら解なしになる(最大が だから)。 次不等式の答えが「 点」や「なし」になるケースが、文章題として自然に現れる。前問で学んだ 、 の場合が現実の問題で意味を持つ例だ。

「与えられた周で面積を最大化」と「与えられた面積の下限を満たす形の範囲」は、同じ 次関数の別の読み方。最大最小(関数の問題)と範囲(不等式の問題)が、 つの式 の中で結びついている。 次関数と 次不等式が同じ単元にあるのは、このためだ。

答

別解

答えの が「 を中心に左右対称」なのは偶然ではない。その理由が分かると、検算もすぐにできる。面積 を平方完成すると

軸は (正方形のとき)で、最大面積 。そこから左右に離れるほど、 の分だけ面積が減る。「面積 」は「 から減る量が 以下」ということ。

中心 から距離 以内という、絶対値の不等式そのものだ。答えが対称になる理由が、この形で完全に見える。

縦 なら横 、縦 なら横 になる。この つは同じ長方形(向きが違うだけ)だから、答えが について対称になるのは当然である。検算も端でやろう。: 面積 (ちょうど )。: (範囲外)。: 。

平方完成で「中心と距離」に言い換える。 次不等式を絶対値の形で読むと、答えの意味がはっきりする。

ポイント

  • 周40 → 縦+横 、横
  • 面積の条件を2次不等式 にする
  • 整理・因数分解して範囲を求める

よくある間違い

  • 周40をそのまま縦+横とする(正しくは して20)
  • 不等式を整理するとき( 倍)の向きを間違える
  • 長さの条件()を確認せずに答える