方べきの定理の3つの形(交わる2弦・2本の割線・接線と割線)
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年11月9日
円と点 を固定し、 を通る直線が円と2点 、 で交わるとき、積 は直線の向きによらず一定です。これが方べきの定理で、点 が円の内部にあるか外部にあるか、直線が接線かどうかによって3つの形で現れます。接線の長さと割線の長さの関係も、この定理の1つの形です。
3つの形
点 を通る2本の直線が、円とそれぞれ 、 と 、 で交わるとします。
- が円の内部にあるとき(2本の弦が で交わる):
- が円の外部にあるとき(2本の割線):
- が円の外部にあり、一方が接線のとき(接点を とする):
式の形はどれも同じで、「 から円との2つの交点までの距離の積」が等しいという内容です。接線の場合は、2つの交点が接点 に重なったと考えると、 になります。
内部の例として、2本の弦が で交わり、、、 なら、 です。接線の例として、外部の点 から引いた割線が 、 なら、 で、 から になります。
証明は相似な三角形で
内部の場合は、 と が相似であることから導きます。(対頂角)で、 と はどちらも弧 に対する円周角なので等しくなります。相似比から 、すなわち です。
接線の場合は、 と の相似を用います。 が共通で、接線と弦のなす角 は接弦定理により に等しいので、 から が得られます。
公式を忘れたときも、どの2つの三角形が相似かを思い出せば式を再現できます。証明に必要な円周角の定理と接弦定理は、図形の性質の単元で扱っています。
一定の値は の絶対値
円の中心を 、半径を とします。 と を通る直線で考えると、2つの交点までの距離は と なので、一定の値は です。この値を点 の方べきといいます。
が外部にあるとき、 なので三平方の定理から となり、方べきの定理の接線の形と一致します。たとえば 、 なら で、 を通るどの割線でも です。上の例の 、 は、このような円と点の組の1つです。
座標平面では、円 と点 に対して、左辺に代入した値 が に等しくなります。点が円の外部なら正、内部なら負、円周上なら です。円の方程式は数学IIの図形と方程式で扱います。
逆を用いて4点が同一円周上にあることを証明する
方べきの定理は逆も成り立ちます。2直線 と が点 で交わり、 が成り立つなら、4点 、、、 は同一円周上にあります。ただし、 が線分 と線分 の両方の内部にあるか、両方の延長上にあるかのどちらかであることが条件です。
4点が同一円周上にあることを証明する方法には、円周角が等しいこと、四角形の対角の和が であることのほかに、この方べきの定理の逆があります。長さの情報が与えられている問題では、方べきの定理の逆が最も直接的です。
つまずきやすいところ
最も多い誤りは外部の点からの割線で を計算してしまうことです。積に用いるのは、どちらも からの距離です。上の接線の例で とすると、 という誤った値になります。
点の順番の確認も必要です。 が外部にあれば 、内部にあれば です。問題文の「近いほうから 、」のような記述を、図に正確に反映してください。
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