物理 / 運動量と力積
平面内の弾性衝突(直角に分かれる)
問題
なめらかな水平面上を速さ で進む質量 の球 A が、静止している同じ質量 の球 B に斜めに衝突した(弾性衝突)。衝突後、A は速さ 、B は速さ で進んだ。(1) 運動エネルギーが保存されていることを確かめよ。(2) 衝突後の A と B の進む向きのなす角を求めよ。、 とする。
ヒントを見る
(2) 運動量保存をベクトルの三角形で描くと、3、4、5 の三角形が現れる。この 3 辺の関係(三平方の定理の逆)は、2 つの運動量ベクトルの間の角について何を教えてくれるか。
解答・解説
方針
KE: ½×25=12.5 J と ½×(9+16)=12.5 J で一致。3²+4²=5² が成り立つことが、運動量ベクトルの三角形が直角三角形であること、すなわち 90° に分かれることを意味する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 平面の衝突では、運動量保存はベクトルの三角形で表せる: 。辺の長さが 、、(等質量なので速さがそのまま比になる)—— と来れば直角である。
① 運動エネルギーの確認。
確かに保存(弾性衝突)。
② なす角。 運動量の三角形で が成り立つから、三平方の定理の逆により と の間の角は
まとめ 実はこれは偶然ではない。等質量の弾性衝突(相手静止)では、衝突後の 2 球は必ず直角に分かれる。ビリヤードで手玉と的玉が直角に開くのはこのためである。証明は、保存則 の両辺を 2 乗し、KE 保存()と見比べると内積 が出る、という 3 行で済む。
(1) 前後とも で保存 (2) (直角に分かれる)
別解
成分で具体的に確かめるルート。 A が進行方向から 曲がったとすると、。保存則から …これは大きさ となり に合わない——実際の角は の側、、(大きさ ✓)。
内積は 。内積 0=直角が成分計算でも確認できる。
ポイント
- 運動量保存はベクトルの三角形
- 3:4:5 → 三平方の逆で 90°
- 等質量弾性(相手静止)は必ず直角に分かれる
よくある間違い
- 速さの和 3+4=7 が 5 と合わないことに混乱する(ベクトル和)
- 三平方の「逆」を使う発想が出ない
- 等質量でない場合にも直角と即断する