物理 / 運動量と力積

なめらかな壁への斜めの衝突

★★ 標準衝突反発係数平面

問題

なめらかな(摩擦のない)壁に、ボールが斜めに衝突する。衝突直前の速度の、壁に平行な成分は 、壁に垂直な成分は であった(速さ )。壁との反発係数を とする。(1) 衝突直後の、壁に平行な成分と垂直な成分 (2) 衝突直後の速度が壁の法線となす角(入射時と比べてどうなるか) を答えよ。 とする。

壁(なめらか)前(6.0, 8.0)後(6.0, 6.0)法線
斜めの衝突。平行成分 6.0 は不変、垂直成分は 8.0→6.0(e=0.75)
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壁がなめらか=壁がボールに加える力は壁に垂直な方向だけ。すると、速度のどの成分が変わり、どの成分が変わらないか。反発係数がかかるのは変わる成分だけである。

解答・解説

方針

なめらかな壁は法線方向の力しか及ぼさない。平行成分は不変、垂直成分だけ e 倍。衝突後は 6.0 と 6.0 で法線から 45°。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 なめらかな壁は法線方向の力しか出せない(摩擦がないから平行方向には押せない)。したがって、平行成分は不変、垂直成分だけが になる。斜めの衝突は、成分に分ければ 1 次元の衝突 2 つ分である。

① 衝突直後の成分。

  • 平行成分: (そのまま)
  • 垂直成分: (向きは壁から離れる向き)

② 反射の角。 法線となす角を とすると

入射時は ()だったから、反射のほうが壁に沿う向きに倒れる()。

まとめ のときだけ入射角=反射角(光の反射と同じ)になり、 では必ず反射角が大きくなる。「平行は不変・垂直だけ 倍」は平面の衝突すべての出発点で、ビリヤードのクッション読みの物理でもある。ちなみに衝突後の速さは

(1) 平行成分 (不変)、垂直成分 (2) 法線と 。垂直成分だけ縮むので、入射よりも壁に沿う向きに倒れる(角が大きくなる)

別解

運動量とエネルギーの視点で読むルート。 壁が及ぼす力積は法線方向のみ: (壁から離れる向き)、平行方向の力積は 0。

エネルギーは、平行成分の分 が温存され、垂直成分の分だけ 倍に減る。斜め衝突では「エネルギーの一部が守られる」——真正面の衝突より失うものが少ない、という見方も持っておくと融合問題で役立つ。

ポイント

  • なめらかな壁: 平行不変・垂直だけ e 倍
  • tanθ'=平行/(e×垂直) で角が立つ…ではなく壁側に倒れる
  • e=1 のときだけ入射角=反射角

よくある間違い

  • 速さ全体を e 倍してしまう
  • 平行成分にも e をかける
  • 入射角と反射角が常に等しいとする(光の反射との混同)