物理 / 運動量と力積

台車への飛び乗りと飛び降り

★★★ 応用運動量保存則融合

問題

なめらかな水平床の上に質量 の台車が静止している。質量 の人が速さ で走ってきて台車に飛び乗った。(1) 人が乗った後の台車の速さを求めよ。(2) その後、人が台車の上から進行方向に(地面から見て)速さ で飛び降りた。飛び降りた後の台車の速度を求めよ。

人 60 kg・3.0 m/s台車 40 kg(静止)なめらかな床
飛び乗って一体で進み、その後前方へ飛び降りる
ヒントを見る

飛び乗りも飛び降りも、系(人+台車)の運動量保存で処理できる。(2) では人の速度が「地面から見て」で与えられている点に注意。式に入れる速度はすべて同じ基準(地面)でそろえる。

解答・解説

方針

(1) 合体で 60×3.0=100×v。(2) も保存則: 100×1.8=60×3.0+40×v'。全体の運動量 180 kg·m/s を人が全部持ち出すので台車は止まる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 乗る・降りるはどちらも内力のやり取りだから、人+台車の運動量は終始保存する。注意点はただ 1 つ、速度をすべて地面基準でそろえることである。

① 飛び乗り。

② 飛び降り。 飛び降りの前後でも保存則:

台車はぴたりと止まる。

まとめ 系の全運動量は最初から 。人が そっくり持ち出したので、台車の取り分は 0 になった——偶然ではなく、人が「最初の自分と同じ速度」で降りたことの必然である。運動量を「持ち込む・預ける・持ち出す」という荷物のように追うと、乗り降り問題は間違えなくなる。

(1) (2) (台車は止まる)

別解

差分(力積のやり取り)で見るルート。 飛び降りるとき、人は へ加速した。人が受けた力積は (前向き)。

作用反作用で台車は同じ大きさの力積を後ろ向きに受け、——止まる。保存則で一気に解くか、力積の受け渡しで刻むか。どちらでも同じ答えに着くことが、保存則の由来(作用反作用)の再確認になる。

ポイント

  • 速度は全部地面基準でそろえる
  • 運動量は持ち込み・持ち出しの帳簿
  • 人が全運動量を持ち出せば台車は止まる

よくある間違い

  • (2) の人の速度を台車基準と解釈する
  • 飛び降りで台車が加速すると思い込む(この数値では停止)
  • (2) の左辺を 40×1.8 だけにする