物理 / 運動量と力積
バウンドをくり返す時間の合計
問題
ボールを高さ から静かに落とす。床との反発係数を とする。ボールが床との衝突をくり返し、やがて弾まなくなるまでの時間の合計を求めよ。ただし衝突にかかる時間は無視する。重力加速度の大きさを とする。
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1 回目の落下時間をまず出す。バウンド後の「上がって下りる」時間は、速さが e 倍になるごとにどう変わるか。無限に続く足し算は、等比数列の和の公式(数学 III の無限等比級数)が引き受けてくれる。
解答・解説
方針
最初の落下は 1.0 秒。以後の各バウンドは上がって下りて 2×(e^n×1.0) 秒。合計は 1.0+2×1.0×(0.5+0.25+…)=1.0+2×1.0×0.5/(1−0.5)=3.0 秒(無限等比級数)。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 バウンドは無限回くり返されるが、各回の時間が公比 の等比数列で縮んでいくため、合計は有限に収まる。物理で数列の和を使う代表例である。
① 最初の落下時間。
② 各バウンドの滞空時間。 はね返り直後の速さは ()。上がって下りる時間は速さに比例し
③ 無限等比級数で合計する。
公式無限等比級数 ()
まとめ 無限回弾むのに、時間は 秒でぴたりと尽きる——数学の収束が物理の「カタカタ…と止まる」現象に対応している。高さの合計(等比 )や道のりの合計も同じ手法で求められる。
答
秒
別解
数値で部分和を確かめるルート。 各滞空時間は (最初の落下 +以後 )。部分和は と に迫っていく。
10 項も足せば ——「無限の足し算が 3.0 に収束する」ことを、電卓の実感として持っておくと、級数の公式が信じられるようになる。
ポイント
- 各バウンドの時間は公比 e の等比数列
- T=t₀+2t₀e/(1−e)
- 無限回でも合計時間は有限
よくある間違い
- 最初の落下の 2 倍化(最初は片道)を混同する
- 公比を e² にする(時間は速さ比例で e)
- 級数の初項を t₀ にする(2t₀e から始まる)