物理 / 気体の熱力学

熱気球の原理

★★ 標準状態方程式密度

問題

熱気球の球皮の中の空気を、外気と同じ圧力のまま から まで温めた。中の空気の密度は元の何倍になるか。また、気球が浮かぶ理由を密度の言葉で説明せよ。

400 K外気 300 K浮力
中の空気を温めて外気より軽くするのが、熱気球の原理
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密度=質量/体積。圧力一定で温めると体積はどうなるか(シャルルの法則)。次に、体積が増えれば同じ質量の空気の密度はどうなるか。この 2 段で追えば比が出る。

解答・解説

方針

圧力一定で ρ=PM/RT∝1/T。T が 4/3 倍→密度 3/4 倍。軽くなった分が浮力の余りになる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「温めると膨らむ」(シャルル)を密度の言葉で言い換える。同じ質量の空気が大きな体積に薄まるのだから、密度は体積に反比例する。

① 体積の倍率。 圧力一定で :

② 密度の倍率。 だから

③ 浮かぶ理由。 気球にはたらく浮力は「押しのけた外気の重さ」で決まる。中の空気が外気の の密度になると、浮力(外気の重さ)>中身の空気の重さとなり、その差でゴンドラや球皮の重さを支えられる。

まとめ状態方程式を密度で書き直すと (: モル質量)となる。圧力一定なら密度は絶対温度に反比例する。この形は、上空ほど空気が薄い理由(P 低下)や、冬の冷気が足元に溜まる理由(T 低下で重い)まで、まとめて説明できる。

答

倍(0.75 倍)。中の空気が外気より軽くなり、浮力(外気の重さ分)が中身+機体の重さを上回るから

別解

具体的な数で浮力を見積もるルート。 球皮の容積を 、外気の密度を とすると、外気なら中身は 。 に温めた空気は 倍の 。

浮力は押しのけた外気分の 重、中身の重さは 重である。差の 300 kg 重で人と機体を持ち上げる。実際の熱気球の積載量もこのオーダーであり、教科書の比の計算が実物の設計と地続きであることが分かる。

ポイント

  • ρ∝1/T(圧力一定)
  • 浮力は押しのけた外気の重さ
  • ρ=PM/RT の形で覚えるといろいろな場面で使える

よくある間違い

  • 密度も 4/3 倍と比例で考える
  • 浮力を中の空気の重さで計算する
  • ℃ のまま比を取る