物理 / 気体の熱力学

断熱圧縮の温度上昇

★★ 標準断熱変化熱力学第1法則

問題

断熱容器内の単原子理想気体 を、外から仕事をして圧縮したところ、温度が 上昇した。外から気体にした仕事を求めよ。気体定数を とする。

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断熱では熱の出入りがないから、内部エネルギーを増やした犯人は仕事しかいない。温度上昇 20 K を内部エネルギーの増加に換算すれば、それがそのまま答えになる。

解答・解説

方針

断熱で Q=0。された仕事は全額内部エネルギーへ: W'=ΔU=(3/2)×2.0×8.3×20=498 J。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 断熱()では、された仕事が全額、内部エネルギーになる(途中の抜き取りがない)。だから「した仕事を求めよ」は「 を求めよ」と同じ問題である。

① 内部エネルギーの増加。

② された仕事。 第 1 法則 より、気体がした仕事は 。よって外から気体にした仕事

W' 498 J外からの仕事ΔU +498 J行き先(Q=0)内部エネルギー仕事
断熱では、された仕事が全額内部エネルギー(温度上昇)になる

まとめ ディーゼルエンジンは、この「押すだけで温める」現象の応用である——急激な断熱圧縮で空気を数百 ℃ まで加熱し、点火プラグなしで燃料を自然着火させる。急な圧縮は断熱とみなせる(熱が逃げる時間がない)という近似の使いどころも、あわせて覚えておきたい。

別解

「した/された」の符号を丁寧に確認するルート。 混乱しやすいのは日本語の方である。整理すると、気体がした仕事 (negative=実際にはされている)、気体がされた仕事

第 1 法則を「(された仕事で書く)」の形で覚える流儀もあり、その場合は と直接出る。どちらの流儀でもよいが、1 つに決めて動かさない——符号事故の大半は流儀の混在から起こる。

ポイント

  • 断熱: された仕事=ΔU
  • 急な圧縮は断熱とみなせる
  • した/された の符号を統一する

よくある間違い

  • (5/2)nRΔT で計算する(定圧との混同)
  • した仕事とされた仕事の符号を混ぜる
  • Q=0 なのに熱量を求めようとする