物理 / 気体の熱力学

長方形サイクルの正味の仕事

★★ 標準P-Vグラフサイクル

問題

気体の状態を、A(, )→B(, )→C(, )→D(, )→A の順に変化させ、元に戻した。1 サイクルで気体が外部にした正味の仕事を求めよ。

V [10⁻³ m³]P [10⁵ Pa]OABCD2.06.01.03.0
A→B→C→D→A の長方形サイクル(時計回り)
ヒントを見る

仕事があるのは体積が変わる 2 つの過程だけ。膨張でした仕事と、圧縮でされた仕事を別々に面積で読み、差し引きしてみよう。その結果がグラフ上の何の面積になっているかにも注目。

解答・解説

方針

膨張 B→C で高圧のまま仕事をし、圧縮 D→A は低圧で仕事をされる。差し引き=閉曲線が囲む面積=ΔP×ΔV=800 J。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 サイクルの仕事は「膨張でした仕事 − 圧縮でされた仕事」。- グラフでは、それぞれ過程の線の下の面積だから、差し引きは閉曲線が囲む面積になる。

① 各過程の仕事。

  • A→B(定積昇圧):
  • B→C(定圧膨張): (した)
  • C→D(定積降圧):
  • D→A(定圧圧縮): (された)

② 正味の仕事。

これは囲まれた長方形の面積 と一致する。

V [10⁻³ m³]P [10⁵ Pa]O囲む面積=800 J2.06.01.03.0
正味の仕事=閉曲線が囲む面積 2.0×10⁵×4.0×10⁻³

まとめ 「時計回りのサイクル=囲む面積だけ外へ仕事」。高圧で膨らみ、低圧で縮む——この「行きは強く、帰りは弱く」の差額が取り出せる仕事である(逆回り=反時計回りなら同じ面積だけ仕事をされる=冷凍機)。囲む面積の読みは、次の熱効率の計算の分子になる。

囲む長方形の面積

別解

符号を持たせて 1 周足すルート。 体積が増える過程の面積を正、減る過程を負として全過程を足すと

——機械的に足すだけで正味が出る。過程が斜め線や曲線のサイクルでも、この「符号付き面積の総和=囲む面積」は変わらないので、複雑なサイクルほどこの流儀が安全である。

ポイント

  • 正味の仕事=囲む面積
  • 時計回り=外へ仕事
  • 仕事があるのは体積が変わる過程だけ

よくある間違い

  • した仕事 1200 J を正味と答える
  • 定積の過程にも仕事を計上する
  • 回る向きを見ずに符号を決める