物理 / 気体の熱力学
水銀柱と気柱(ボイルの法則の応用)
問題
一端を閉じた細いガラス管を水平に置くと、閉じた側に長さ の空気柱が、長さ の水銀柱で閉じ込められていた。この管を、閉じた端を上にして鉛直に立てると、空気柱の長さはいくらになるか。大気圧を水銀柱 分の圧力()とし、温度は一定とする。
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水銀柱のつり合いを考える。閉じた端が上のとき、水銀を支えているのは下の大気圧。気柱の圧力+水銀柱の圧力=大気圧、の関係から気柱の圧力を出し、あとはボイルの法則で長さに変換する。
解答・解説
方針
水平: 気柱の圧力=大気圧 76。鉛直(閉端上): 水銀の重さの分だけ気柱の圧力=76−36=40。ボイル: 76×20=40×L → L=38 cm。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 この型の問題は 2 幕構成である。第 1 幕: 水銀柱のつり合いで気柱の圧力を決める。第 2 幕: ボイルの法則で長さに変換する。圧力の単位を cmHg のまま使うと、 や密度が最後まで登場せず計算が軽い。
① 水平のとき。 水銀柱の重さは管の向きに効かないので、気柱の圧力=大気圧:
② 鉛直(閉端上)のとき。 水銀柱(36 cm)を下から大気圧が支え、上から気柱の圧力が押す。つり合いは
③ ボイルの法則。 断面積が一定だから体積の比=長さの比:
まとめ 閉端を上にすると水銀が下がろうとして気柱が引き伸ばされ、圧力が下がって膨張する——38 cm に伸びたのは直感どおりである。逆に閉端を下にすれば に上がって縮む。「水銀柱の分を足すか引くか」は暗記でなく、水銀を支える力のつり合いを毎回描いて決めるのが安全である。
(気柱の圧力が に下がる)
別解
圧力を Pa に直しても同じことを確かめるルート。 cmHg は「その高さの水銀柱が底面に及ぼす圧力 」の略記である。76 cmHg ≈ だから、。
ボイルの式は両辺に同じ換算係数()が掛かるだけなので、比の計算では単位系を Pa に直す必要がない。cmHg のまま処理するのが、この型の定石である。
ポイント
- 第1幕: つり合いで気柱の圧力
- 第2幕: ボイルで長さに変換
- cmHg のままなら ρg が消える
よくある間違い
- 閉端上でも 76+36 と足してしまう
- 水平のときの圧力を 76−36 とする
- 長さの比でなく差で処理する