物理 / 気体の熱力学

等温変化と熱力学第1法則

★ 基礎熱力学第1法則等温変化

問題

理想気体を温度一定のままゆっくり膨張させたところ、気体は の熱を吸収した。(1) 内部エネルギーの変化 (2) 気体がした仕事 をそれぞれ求めよ。

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内部エネルギーは何で決まる量だったか。温度が一定なら、内部エネルギーはどうなるか——そこが決まれば、第 1 法則から残りが自動的に出る。

解答・解説

方針

等温→ΔU=0(U は温度だけで決まる)。第1法則より W=Q=500 J。吸った熱が全額仕事になる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 内部エネルギーは温度だけで決まる(基礎で確認した構造)。だから「等温」と聞いた瞬間に と書ける——これが等温変化の入口の一手である。

① 内部エネルギーの変化。 温度不変だから

② 仕事。 第 1 法則 を入れて

吸収した熱が全額そのまま仕事に変わった。

VPOはじめあとT 一定(ΔU=0)
等温膨張は等温線に沿って右下へ。曲線の下の面積が W=Q

まとめ 「熱を 100 % 仕事に変えている——熱機関の効率 100 % では?」と思えたら鋭い。ただしこれは膨張し続ける片道の変化であり、元の体積に戻す(サイクルにする)には別の過程で熱を捨てる必要がある。「片道なら 100 % 可能、往復(サイクル)では不可能」——この区別が熱効率(標準・応用)の議論の出発点になる。

(1) (温度が変わらない) (2)

別解

お金の流れにたとえるルート。 内部エネルギー=貯金、熱=収入、仕事=支出と見ると、第 1 法則は「収入=貯金の増加+支出」という家計簿である。

等温変化は「貯金残高を変えない」縛りだから、入ってきた収入 500 円はその場で全額支出するしかない。定積は「支出ゼロ(全部貯金)」、断熱は「収入ゼロ(貯金を取り崩して支出)」——4 つの変化は家計簿の 4 パターンとして整理できる。

ポイント

  • 等温→ΔU=0 が入口
  • W=Q(吸った熱が全額仕事)
  • サイクルにすると 100 % は不可能

よくある間違い

  • 等温でも ΔU=(3/2)nRΔT を計算しようとする(ΔT=0)
  • W=0 とする(それは定積)
  • 「ゆっくり」を断熱と読み違える