物理 / 気体の熱力学

内部エネルギー

★ 基礎内部エネルギー

問題

単原子分子の理想気体 が温度 にある。この気体の内部エネルギーを求めよ。気体定数を とする。

ヒントを見る

内部エネルギーは「分子の運動エネルギーの総和」。1 個あたりの平均を全個数分集めた式があった。n と T だけで決まることに注目して代入しよう。

解答・解説

方針

単原子理想気体の内部エネルギー U=(3/2)nRT=(3/2)×2.0×8.3×300=7470 J。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 内部エネルギーとは、容器の中の全分子の運動エネルギーの総和である。1 個あたり (基礎の平均運動エネルギー)を mol 分(= 個)集めると、 を使って次の形になる。

公式単原子理想気体の内部エネルギー: (n と T だけで決まる)

① 代入する。

T [K]U [10³ J]O300 K7.5
内部エネルギーは絶対温度に比例する(n=2.0 mol)

まとめ 大事なのは値そのものより「 は温度に比例する」という構造である。だから温度が変わらなければ も変わらない(等温変化で になる根拠)。逆に の変化は ——温度差だけで書ける。この式は熱力学第 1 法則の計算全体の土台になる。

()

別解

7470 J の体感ルート。 は、質量 1 kg の物体を約 760 m 持ち上げるエネルギーに相当する。目に見えない分子のざわめきが、これほどのエネルギーを蓄えている。

もっとも、このエネルギーを全部仕事として取り出すことはできない(熱機関の効率の限界)——その「取り出せなさ」を定量化するのが熱力学第 2 法則で、大学の熱力学へ続く入口である。

ポイント

  • U=(3/2)nRT(単原子)
  • U は温度に比例(等温で ΔU=0 の根拠)
  • ΔU=(3/2)nRΔT が第1法則の土台

よくある間違い

  • (3/2) を忘れる
  • 2 原子分子にもそのまま使う(単原子限定)
  • T でなく ΔT を入れる混同