物理 / 気体の熱力学
仕事は経路による(状態量と過程量)
問題
単原子理想気体を状態 A(, )から状態 B(, )まで、次の 3 通りの経路で変化させる。経路 1: 定積で昇圧してから定圧で膨張。経路 2: 定圧で膨張してから定積で昇圧。経路 3: - グラフ上の直線。(1) 各経路で気体がした仕事 (2) 内部エネルギーの変化 (3) 各経路で吸収した熱量 を求めよ。
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仕事は「線の下の面積」だから、同じ A→B でも通り道で変わる。一方、内部エネルギーは状態の量(温度)だけで決まる。この対比を意識しながら、3 つの経路の面積を読み比べてみよう。
解答・解説
方針
仕事=線の下の面積: 高圧で膨張(1200)/低圧で膨張(400)/台形(800)。ΔU=(3/2)Δ(PV) は始点終点だけで決まる。Q=ΔU+W は経路ごと。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 この問題の主役は数値ではなく概念の対比である——内部エネルギーは「状態量」(現在地だけで決まる)、仕事と熱は「過程量」(通り道で決まる)。- グラフの面積がそれを目に見える形にする。
① 各経路の仕事(線の下の面積)。
- 経路 1(上ルート: 先に昇圧): 膨張は高圧 で起こる。
- 経路 2(下ルート: 先に膨張): 膨張は低圧 で起こる。
- 経路 3(直線): 台形の面積。
② 内部エネルギーの変化(経路によらない)。
③ 熱量。 第 1 法則 を経路ごとに:
まとめ 同じ出発地と目的地でも、通り道で も も違う——違いはぴったり面積の差である。そして「行きと帰りで経路を変える」とその面積差が回収できる、というのがサイクル(囲む面積=正味の仕事)の正体だった。状態量と過程量の区別は熱力学の文法であり、これが腑に落ちればサイクル問題は「面積の読み比べ」に還元される。
(1) 、、 (2) どの経路も (3) 、、
別解
サイクルとして差を読むルート。 経路 1 で行って経路 2 で帰ると、長方形サイクル(標準の周回)そのものになる。1 周の仕事は ——これは囲む長方形の面積 と一致する。
「経路による差=囲む面積」——片道の比較問題と 1 周のサイクル問題は、同じ事実の 2 つの見え方である。
ポイント
- U は状態量、W・Q は過程量
- ΔU=(3/2)Δ(PV) は始点終点だけ
- 経路の差=囲む面積
よくある間違い
- ΔU も経路で変わるとする
- 経路 2 の膨張を高圧側で計算する
- 直線経路の面積を長方形で読む