物理 / 気体の熱力学
温度の異なる気体の混合
問題
断熱容器が仕切りで同じ容積 の 2 室に分けられ、どちらにも圧力 の単原子理想気体が入っているが、温度は左室 、右室 である。仕切りを取り除いて十分時間がたったときの、(1) 全体の温度 (2) 全体の圧力 を求めよ。
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同じ圧力・同じ体積でも、冷たい部屋ほど分子が多く詰まっている——まず各室の mol 数の比を出そう。混ざった後の温度は、単純平均 450 K にはならない。保存するのは温度ではなく内部エネルギーである。
解答・解説
方針
n1=P0V/300R、n2=P0V/600R(n1=2n2)。断熱・仕事なしで内部エネルギー保存: T=(n1T1+n2T2)/(n1+n2)=400 K。P=(n1+n2)RT/2V=P0。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 直感の 450 K(単純平均)は罠である。同じ でも冷たい室ほど mol 数が多い()から、平均は「数の多い低温側」に引っ張られる。保存量は断熱・外部仕事なしより内部エネルギーの総和である。
① 各室の mol 数。 状態方程式より
低温室が2 倍の分子を抱えている。
② 温度(内部エネルギー保存)。 断熱容器で外部への仕事もないから
が消えて、 は mol 数の重み付き平均:
③ 圧力。 全体(、)で状態方程式:
まとめ 温度は 450 K でなく 400 K——「数で殴る低温側」が勝つ。そして圧力は変わらない(もともと両室同圧で、混合は圧力のつり合いを崩さない)。保存するのは何か(mol 数と内部エネルギー)から式を立てる姿勢は、等温混合(標準)と同じで、温度差がついても骨組みは変わらない。
(1) (mol 数の重み付き平均。低温側が 2 倍の mol を持つ) (2) (不変)
別解
PV の和で圧力を先に出すルート。 内部エネルギーは と書けるから、その保存は「 の和の保存」でもある:
温度を経由せず圧力が1 行で出る。そのあと mol 数と状態方程式から を出してもよい。 という書き換えは、単原子気体の問題全般で強力な近道になる。
ポイント
- 同 P・V でも低温側が mol 多い
- 保存は内部エネルギー(重み付き平均)
- U=(3/2)PV なら圧力が 1 行
よくある間違い
- 単純平均 450 K とする
- mol 数を同数として計算する
- 圧力が半分になると考える