物理 / 直流回路

平衡していないブリッジ

最難関編ブリッジ回路キルヒホッフ等価電源

問題

図のブリッジ回路で、、検流計の抵抗は 、電池の起電力は (内部抵抗は無視)である。

AR1R2R3R4GPQAB12 V
ブリッジ回路。R1〜R4 の値が平衡条件を満たしていない。

(1) この回路は平衡しているか。平衡条件と照らして答えよ。

(2) 検流計をはずしたとき、点 P と点 Q の電位をそれぞれ求めよ。

(3) 検流計から見た回路を「 個の電池と 個の抵抗」に置きかえる。その起電力(P Q 間の開放電圧)と抵抗(電池を取り去って PQ から見た抵抗)を求めよ。

(4) 検流計に流れる電流を求めよ。向きも答えよ。

ヒントを見る

まず検流計をはずしてみる。そのとき 点の電位は簡単に出せるか。電池を取り去って 点から回路を見ると、何が見えるか。

解答・解説

方針

平衡していないので直並列に分解できない。検流計をはずしたときの 点の電位差を「等価な電池の起電力」、電池を取り去って 点から見た抵抗を「等価な内部抵抗」とみなすと、あとは単純な ループの回路になる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ブリッジが平衡していれば検流計に電流が流れず、話は簡単である。今回は平衡していないので、そのままでは直並列に分解できない。

キルヒホッフの法則で連立してもよいが、もっと見通しのよい方法がある。検流計から見れば、残りの回路は「ある電池とある抵抗の組」にすぎない。

その つを求めてしまえば、あとは電池と抵抗が 個ずつの回路になる。これが等価電源の考え方である。

① 平衡しているか。

公式ブリッジの平衡条件

等しくないので平衡していない。検流計には電流が流れる。

② 検流計をはずしたときの電位。 はずせば、左右の枝はそれぞれ単純な直列になる。電池の負極を とする。

③ 等価な電池と抵抗。 開放電圧は 点の電位差である。

抵抗のほうは、電池を取り去って(起電力を 、つまり導線でつないで)PQ から見る。すると P からは が並列に、Q からは が並列に見え、それが直列につながる。

AE′ = 3 VR′ = 17.5 ΩG 2.5 Ω0.15 A
検流計から見ると、残りの回路は起電力 3 V・内部抵抗 17.5 Ω の電池 1 個と同じ。
重要 端子から見た回路」は、開放電圧と、電源を取り去ったときの抵抗の つで置きかえられる

④ 検流計の電流。 あとは起電力 、内部抵抗 の電池に をつないだ回路である。

電位の高い Q から低い P へ、検流計を通って流れる。

まとめ 平衡していないブリッジは、等価電源に置きかえると 行で解ける。連立方程式を立てるより、何が起きているかが見えやすい。

発展 — 一歩先へ。 ③ で使った考え方(テブナンの定理)は、どんな複雑な回路にも使える。「 本の端子から見れば、中身がどうであれ電池 個と抵抗 個」というのは強力な主張である。

この定理のおかげで、たとえば検流計を別のものに取りかえたときの電流も、 を計算し直さずに求められる。 にすれば 、無限大にすれば である。

「部品を取りかえるたびに全体を解き直す」必要がなくなるのが、等価回路のいちばんの利点である。

で平衡していない、、等価電源は 、電流は で Q から P へ

別解

節点の電位を未知数にして連立するルート。 等価電源を使わず、まっすぐキルヒホッフの法則で解くこともできる。

電池の負極を 、正極を とし、P と Q の電位を とする。各節点で「流れこむ電流の和 = 流れ出る電流の和」を書く。

節点 P:

節点 Q:

数値を入れて整理すると

これを解くと となる。検流計の電流は

④ と一致する。

注意したいのは、検流計をつないだ状態の ()が、はずしたときの値()とは違うことである。電流が流れると電位が変わる。等価電源の は、あくまで「はずしたとき」の値であることを取り違えないようにしたい。

ポイント

  • 平衡していないブリッジは直並列に分解できない
  • 検流計をはずしたときの電位差が等価電源の起電力
  • 電池を取り去って 2 端子から見た抵抗が等価な内部抵抗
  • 検流計をつなぐと電位は変わる(開放時の値とは別)

よくある間違い

  • 平衡条件を確かめずに直並列で計算してしまう
  • 等価抵抗を求めるとき、電池を残したまま計算する(取り去って導線にする)
  • 開放時の電位差をそのまま検流計の両端の電位差だと思う