物理 / 直流回路
電位差計(電流を流さない測定)
問題
電位差計で電池の起電力を測る。標準電池(起電力 )をつなぐと、すべり抵抗線上 の点で検流計が 0 になった。未知の電池に取り替えると で 0 になった。(1) 未知の電池の起電力を求めよ。 (2) この方法だと、電池の内部抵抗の影響を受けずに起電力そのものが測れる。理由を述べよ。
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一様な線に一定電流を流すと、電位が長さに比例して下る「電位のものさし」ができる。検流計 0 の点=電池の起電力とものさしの目盛りが釣り合った点。そのとき電池には電流が流れていない——内部抵抗の式 V=E−rI で I=0 とすると何が起こるか。
解答・解説
方針
抵抗線の電位降下∝長さ。平衡=電池に電流 0 の点。E∝l で比例計算。電流 0 だから rI=0 が (2) の核心。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 電位差計は「電位のものさし」である——補助回路が抵抗線に一定電流を流し、線上の電位降下は長さに比例する。測りたい電池を検流計 0(=電流を流さずに)で釣り合わせ、長さで起電力を読む。
① 起電力。 平衡の長さは起電力に比例:
② 内部抵抗の影響を受けない理由。 平衡状態では測定対象の電池に電流が流れていない()。端子電圧は
——内部抵抗での目減りがなく、起電力そのものと釣り合っている。
まとめ ふつうの電圧計で測ると、電圧計自身が電流を流すため と少し小さく出る。電位差計は「流さずに比べる」ことでこの原理的な誤差を消した——ブリッジ(電流 0 の橋)と同じ、ゼロ法と呼ばれる精密測定の思想である。「0 を検出する測定は誤差に強い」——実験学の宝石のような一問である。
(1) 平衡時の長さは起電力に比例: (2) 平衡状態では測りたい電池に電流が流れていないので、内部抵抗での電圧降下 が 0——端子電圧が起電力そのものになるから
別解
つり合いの瞬間を力学で例えるルート。 天秤で質量を測るとき、針が 0 の瞬間は両皿が「押し合っていない」——分銅の目盛りがそのまま質量になる。電位差計の検流計 0 も同じで、ものさし側と電池側の電位が押し合わず、目盛り(長さ)がそのまま起電力になる。
「測定器が対象からエネルギーを奪わない測り方」——ゼロ法の本質を天秤の絵で持っておくと、初見の測定回路でも思想が読める。
ポイント
- 抵抗線=電位のものさし(E∝l)
- 平衡=電流 0 → V=E
- ゼロ法(流さずに比べる)
よくある間違い
- 長さの比を逆にする
- (2) を「検流計の抵抗が大きいから」とする
- 補助回路の電流が変わってよいと考える