物理 / 直流回路

分流器(電流計の測定範囲を広げる)

★ 基礎電流計分流器

問題

内部抵抗 、最大 まで測れる電流計がある。これで最大 まで測れるようにしたい。(1) 抵抗(分流器)を電流計にどうつなげばよいか。 (2) その抵抗の値を求めよ。

A内部抵抗 9.0 Ω最大 10 mA → 100 mA にしたい
そのままでは 10 mA までしか測れない電流計
ヒントを見る

本体には今までどおり最大 10 mA しか流せない——では残りの 90 mA はどこを通すか。「逃げ道」を作る配線は直列か並列か。値は、並列=同じ電圧の式 1 本で決まる。

解答・解説

方針

計器本体には 10mA しか流せない→残り 90mA のバイパスを並列に作る。電圧共通の式 rI_A=RI_s から R=r/(n−1)=1.0Ω。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 計器本体の限界(10 mA)は変えられない——残り 90 mA の逃げ道(バイパス)を並列に作るのが分流器である。

① つなぎ方。 並列。全体に 100 mA が来たとき、本体に 10 mA、分流器に 90 mA と分かれるようにする。

② 値。 並列だから電圧が等しい:

A9.0 Ω・10 mAR=1.0 Ω(90 mA)100 mA
並列のバイパスに 90 mA を逃がす——分流器

まとめ 一般に 倍への拡張は (今回 )——ただし公式でなく「電圧が等しい」の 1 本から毎回導くのが安全である。分流後の目盛りは「読み×10」で使う。本体より小さい抵抗を並列に抱くので、電流計全体の抵抗も下がる()——「電流計は抵抗が小さいほど良い」にも合致する改造である。

(1) 並列につなぐ(本体に 10 mA、残り 90 mA を逃がす) (2) 並列なので電圧が等しい: より

別解

電流の逆比で速攻するルート。 並列の電流は抵抗の逆比。 に分けたいから、抵抗は ——本体 に対して分流器は 。「電流を に→抵抗は 」と逆比 1 行で終わる。

並列の逆比は計器問題の隠れた主役——次の倍率器(直列・電圧の比)と対にして覚える。

ポイント

  • 逃げ道を並列に(バイパス)
  • 電圧が等しい式 1 本で決まる
  • R=r/(n−1)・全体の抵抗も下がる

よくある間違い

  • 直列につなぐ(それは倍率器)
  • R=r/n とする
  • 本体の電流も増やせると考える