物理 / 電流と磁場
斜面上の導体棒のつり合い
問題
傾き のなめらかな斜面上に、水平な導体棒(質量 、長さ )を置く。鉛直上向きの一様な磁場(磁束密度 )をかけ、棒に適切な向きの電流を流して斜面上で静止させたい。必要な電流の大きさを求めよ。 とする。
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鉛直磁場と水平電流だから、力は水平方向に BIL。この水平の力を斜面に沿う成分と垂直な成分に分け、重力の斜面成分とのつり合いを斜面方向で立てる。なめらかなので摩擦は考えない。
解答・解説
方針
鉛直磁場×水平電流→水平の力 BIL。斜面上のつり合いを斜面方向でとる: 水平力の斜面成分 BILcos30° = 重力の斜面成分 mgsin30°。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「電磁気の力 × 斜面のつり合い」の融合である。まず力の向き(鉛直磁場×水平電流=水平)を確定し、斜面方向でつり合いを立てる。
① 力の向きと大きさ。 鉛直磁場中の水平電流が受ける力はフレミング左手より水平方向、大きさ 。適切な向きに流せば斜面を押し上げる向きにできる。
② 斜面方向のつり合い。 斜面を上る向きを正として、水平力 の斜面成分()と重力の斜面成分()がつり合う:
まとめ 力が水平なので、斜面に沿う成分は (重力は )——斜面の分解で と がどちらの力につくかを、図で丁寧に確認するのが要である。電磁気の力を導入するだけで、あとは斜面上の物体のつり合い(力学)そのもの——分野をまたぐ問題は「電磁気で力を作り、力学で処理する」という橋渡しがすべてである。
水平な磁場の力 の斜面方向成分が、重力の斜面方向成分とつり合う。 より ……ではなく、鉛直磁場×水平電流なので力は水平。 から
別解
水平方向と鉛直方向で立てるルート(検算)。 なめらかな斜面では垂直抗力 が斜面に垂直。水平・鉛直の 2 方向でつり合いを書くと、水平: 、鉛直: 。2 式から ——斜面方向で立てた結果と一致する。
「斜面方向で立てる」か「水平鉛直で立てる」かは好みだが、両方で同じ答えが出ることを確かめると、 の取り違えを完全に排除できる。
ポイント
- 鉛直磁場×水平電流→水平の力
- 斜面成分 Fcos30°=mgsin30°
- 電磁気で力、力学でつり合い
よくある間違い
- 力を斜面に平行と考える
- sin と cos を取り違える
- なめらかなのに摩擦を入れる