物理 / 電流と磁場
速度選択器
問題
互いに垂直な電場と磁場が重なった領域に、両方に垂直に荷電粒子を打ち込む。電場の強さ 、磁束密度 のとき、まっすぐ進む(電気力とローレンツ力がつり合う)粒子の速さを求めよ。また、この装置が「速度選択器」と呼ばれる理由を述べよ。
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粒子には 2 つの力がはたらく——電場からの力 qE と、磁場からのローレンツ力 qvB。この 2 つが逆向きにつり合えばまっすぐ進む。つり合いの式から速さが 1 つに決まることに注目——それ以外の速さの粒子はどうなるか。
解答・解説
方針
電気力 qE(電場方向)とローレンツ力 qvB(逆向き)のつり合い qE=qvB。v=E/B。この速さ以外は力がつり合わず曲がる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 電場と磁場を逆向きに効かせて綱引きさせる。電気力 (速さによらない)とローレンツ力 (速さに比例)がつり合うのは、ただ 1 つの速さだけ——この選別が装置の要である。
① つり合いの式。 2 力が逆向きにつり合うとき
( が消える——電荷の大きさや符号によらず、この速さで選別される。)
② 速度選択器の理由。 電気力は速さによらず一定だが、ローレンツ力は速さに比例する。だから
- ちょうど: つり合ってまっすぐ通過
- 速すぎる粒子: ローレンツ力が勝って一方へ曲がる
- 遅すぎる粒子: 電気力が勝って逆へ曲がる
特定の速さの粒子だけがまっすぐ通り抜け、スリットを通過できる——だから速度選択器である。
まとめ という美しい結果——電場と磁場の比で速さが決まる。これは質量分析器(応用)の前段でよく使われる(まず速さをそろえてから、磁場で質量ごとに分ける)。「速さによらない力(電気)と速さに比例する力(磁気)の綱引き」という設計思想は、物理の巧みさの好例である。
電気力 とローレンツ力 がつり合う: より 。この速さの粒子だけがまっすぐ進み、他の速さの粒子は曲げられて除かれるから
別解
単位で v=E/B を確かめるルート。 ——(電磁誘導の 、 から)を使うと で確かに速さ。
は速度選択器だけでなく、電磁波の と の関係()にも顔を出す——「電場と磁場の比が速さ」という関係の一般性を、頭の片隅に置いておくと後で響く。
ポイント
- qE=qvB のつり合い→v=E/B
- 電荷 q によらず選別
- 特定の速さだけ直進(選別)
よくある間違い
- 2 力を同じ向きと考える
- q が消えることに気づかず残す
- v=EB や v=B/E と誤る