物理 / 電流と磁場
比電荷の測定
問題
電子を電位差 で加速し、磁束密度 の一様な磁場に垂直に入射させたところ、半径 の円を描いた。電子の比電荷 を求めよ。
ヒントを見る
電子の e も m も個別には測れないが、比 e/m なら測れる。加速の式(eV=½mv²)と円運動の式(r=mv/eB)の 2 本から、測れない v を消去すると、測定できる量 V・B・r だけの式になる。
解答・解説
方針
加速の式と円運動の式から v を消去。e/m=2V/(B²r²)。測定値 V,B,r から比電荷が求まる(トムソンの実験)。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 電子の も も単独では測りにくいが、比 なら測れる。加速の式と円運動の式から、測れない を消去すればよい。
① 2 本の式。
② v を消去する。 円運動の式から 、これを加速の式に代入:
③ 代入する。
まとめ教科書値 とよく一致する。これがトムソンの陰極線の実験(1897 年)の原理で、電子の発見につながった歴史的な測定である。 という「測れない量」を 2 式で消して、測定量だけの式を作る。これは物理の測定でよく使う方法である(前の電位差計・ブリッジと同じく、測れない量を消去する考え方)。
答
と から を消去すると
別解
次元と桁で検算するルート。 の単位は で、展開すると になる(自分で確かめるとよい練習になる)。桁は 前後、係数を入れて 台となり、教科書値と同じオーダーである。
実験値が理論の既知値と桁で合うかを最後に確認する。測定問題では「答えが妥当な範囲か」を必ず確かめておきたい。
ポイント
- 測れない v を 2 式で消去
- e/m=2V/(B²r²)
- トムソンの電子発見の原理
よくある間違い
- e と m を別々に求めようとする
- v の消去でべき乗を誤る
- B や r の 2 乗を忘れる