物理 / 電流と磁場
斜めに置いた導体棒が受ける力の分解
問題
水平面上の一様な鉛直下向きの磁場(磁束密度 )の中に、質量 、長さ の導体棒を水平に置き、電流 を流す。棒が受ける力の向きと、棒が水平面上をすべり出すために必要な電流の条件を、静止摩擦係数 を使って述べよ。
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鉛直下向きの磁場の中で水平な電流が受ける力は、フレミング左手でどちらを向くか——鉛直でも棒方向でもない第 3 の水平方向。その水平の力が、棒を止めている摩擦力に打ち勝てば動き出す。
解答・解説
方針
鉛直磁場×水平電流→力は水平(フレミング左手)。水平の力 BIL が最大静止摩擦 μmg を超えると動く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 磁場(鉛直)と電流(水平)が垂直なので、力は で両方に垂直=水平方向。あとは力学の「動き出す条件」(摩擦との勝負)に帰着する。
① 力の向きと大きさ。 フレミング左手より、力は棒に垂直な水平方向、大きさ
② すべり出す条件。 棒を止めているのは最大静止摩擦 (垂直抗力は重力 に等しい——磁場の力は水平で垂直方向に影響しない)。動き出すのは
まとめ 磁場の力が水平なので、垂直抗力は のまま——だから摩擦は で単純である(もし力が斜めなら垂直抗力も変わり、転倒・浮上の議論が要る)。「磁場の力で駆動、摩擦で抵抗」という構図はレール上の導体棒(応用)の基本で、電磁誘導のレール問題へそのままつながる。電磁気の力を、力学のつり合い・運動方程式に持ち込む——分野をまたぐ総合問題の典型である。
力は水平方向(棒に垂直・磁場に垂直)で大きさ 。すべり出す条件は 、すなわち
別解
もし磁場が水平だったらと比べるルート。 磁場が水平(棒に垂直)なら、鉛直電流……ではなく、力が鉛直向きになり、棒を持ち上げる/押しつける向きにはたらく。すると垂直抗力が に変わり、摩擦も連動して変わる——「浮上して摩擦ゼロ」という別の条件が現れる。
「磁場と電流の向きで力の向きが決まり、力の向きで摩擦の議論が変わる」——配置を変えた類題への構え方まで持っておくと応用が効く。
ポイント
- 鉛直磁場×水平電流→水平の力 BIL
- 垂直抗力は mg のまま
- BIL>μmg で動き出す
よくある間違い
- 力を鉛直向きと考える
- 垂直抗力に磁場の力を足す(水平なので無関係)
- sinθ を入れる(垂直配置なので不要)