物理 / 電流と磁場
レール上の導体棒(摩擦で動かない場合)
問題
水平面上に間隔 のレールを敷き、質量 の導体棒を渡す。鉛直上向きの磁場(磁束密度 )をかけ、棒に の電流を流した。レールと棒の静止摩擦係数を とする。 とする。(1) 棒が受ける磁場の力 (2) 棒は動くか。動かない場合、棒にはたらく摩擦力の大きさを求めよ。
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磁場の力を計算し、最大静止摩擦力と比べる——力が最大静止摩擦を超えなければ動かない。動かないとき、摩擦力は最大値ではなく『加えられた力とつり合う値』であることに注意(静止摩擦の落とし穴)。
解答・解説
方針
磁場の力 BIL=0.20N。最大静止摩擦 μmg=0.294N と比較→力が小さいので静止。静止摩擦は加えた力と等しい 0.20N(最大値ではない)。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 動くかどうかは「加えた力 vs 最大静止摩擦」の比較で決まる。そして動かないときの摩擦力は最大値ではなく、つり合う値——静止摩擦の頻出の落とし穴を意識する。
① 磁場の力。
② 動くかの判定。 最大静止摩擦力は
なので動かない。
このとき摩擦力は最大値 ではなく、磁場の力とつり合う
まとめ 「動かないときの静止摩擦は ではない」——必要なだけの摩擦(ここでは )が生じてつり合う。 はあくまで上限である。この区別は力学の基本だが、電磁気の力が絡むと見落としやすい。前の標準(s07)では で動いたが、今回は電流が小さく動かない——同じ設定でも数値で結論が逆転する。「計算して比較、動かないならつり合いの値」という手順を機械的に踏むのが安全である。
(1) (2) 最大静止摩擦力 なので動かない。摩擦力は磁場の力とつり合う
別解
動き出す電流の境目を求めるルート。 ちょうど動き出すのは 、すなわち 。今の はこれ未満だから動かない、と境目から即断できる。
「臨界値を先に出して、与えられた値と比べる」——不等式の問題は境界を求めてしまうのが見通しがよい。 を超えれば動き出し、標準 s07 の運動方程式の世界に入る。
ポイント
- F と μmg を比較して判定
- 動かない静止摩擦=つり合う値(≠μmg)
- 臨界電流 μmg/(BL) で即断
よくある間違い
- 動かなくても摩擦を μmg とする
- 比較せず動くと決めつける
- μmg の m を長さと混同する