物理 / 波の伝わり方と音

ホイヘンスの原理と屈折の法則

★★ 標準ホイヘンスの原理屈折

問題

ホイヘンスの原理を用いて、波が速さ の媒質から速さ の媒質へ入射するとき、屈折の法則

が成り立つことを説明せよ。ここで は入射角・屈折角である。

ABB'媒質1(v₁)媒質2(v₂)
波面 AB が斜めに入射。A が先に境界へ着く
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波面の両端の「時間差」に注目する。先に境界へ着いた端からは素元波(半円)が広がり始め、遅れて着く端はまだ媒質 1 を走っている。同じ時間 t の 2 つの移動距離を、共通の斜辺を持つ 2 つの直角三角形に描き込もう。

解答・解説

方針

波面 AB の A が先に境界へ。同じ時間 t に、媒質 1 側では B が v₁t 進んで B' へ、媒質 2 側では A からの素元波が半径 v₂t に成長。共通の斜辺 AB' で sin を書くと比が出る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ホイヘンスの原理——「波面の各点が素元波(小さな球面波)の源になり、その共通接面が次の波面になる」——を、境界をまたぐ波面に適用する。鍵は、波面の両端が境界に時間差で到着することである。

① 設定。 波面 が斜めに入射し、端 が先に境界に達した。もう一方の端 が境界上の点 に達するまでの時間を とする。

② 2 つの距離を書く。

  • 媒質 1 側: 進む。直角三角形
  • 媒質 2 側: その間に から出た素元波は半径 に成長。新しい波面は からこの素元波に引いた接線で、

③ 共通の斜辺 で割り算する。

AB'v₁tv₂t新しい波面(接線)
同じ時間 t: B は v₁t 進み、A の素元波は半径 v₂t。共通の斜辺 AB'

まとめ 屈折の法則は「同じ持ち時間 で走れる距離の違い」を、共通の斜辺 が仲立ちして角度の比に翻訳したものである。ホイヘンスの原理は反射の法則(入射角=反射角)も同じ作図で導ける——「原理 1 つから法則 2 つ」を自分の手で描けるようにしておくと、論述問題で強い。

波面の端 A が境界に達してから他端 B が境界(B')に達するまでの時間 t で、AB'=v₁t/sinθ₁=v₂t/sinθ₂ の共通の斜辺を 2 通りに表すと sinθ₁/sinθ₂=v₁/v₂

別解

波面の間隔(波長)で見るルート。 境界に沿った波面の間隔を とすると、媒質 1 の波長は 、媒質 2 では (同じ への射影)。振動数共通で だから

素元波を描かず、波面の幾何だけで同じ結論に達する。2 つの導出が一致することが、法則の頑健さの証明である。

ポイント

  • 素元波の共通接面=次の波面
  • 共通の斜辺 AB' で 2 つの sin を書く
  • 同じ原理で反射の法則も出る

よくある間違い

  • 素元波の半径を v₁t としてしまう
  • sin を書く直角三角形を取り違える
  • θ を波面と境界の角でなく法線との角と混同する