物理 / 波の伝わり方と音
気柱の共鳴と開口端補正
問題
水を入れたガラス管の口の近くで振動数の分からないおんさを鳴らし、水面を下げていくと、管口から水面までの長さが と のときに共鳴した。音速を とする。(1) 音の波長 (2) おんさの振動数 (3) 開口端補正(管口から腹までの距離)を求めよ。
ヒントを見る
共鳴位置そのものより「共鳴と共鳴の間隔」が信頼できる情報——ここには開口端のずれが入り込まない。間隔が半波長に等しい理由を、水面(節)の絵で確かめてから式を立てよう。
解答・解説
方針
隣り合う共鳴の間隔=λ/2(節が 1 個増える)→λ=0.80。f=V/λ=425 Hz。腹は管口の少し外: λ/4−L1=1 cm。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 実験問題の鉄則——共鳴位置の差を使う。管口の腹は実際にはわずかに外にはみ出す(開口端補正)ため、 単独から を出すとずれる。しかし差 は補正が相殺して純粋に になる。
① 波長。 隣り合う共鳴では水面(節)が 1 個分下がるから
② 振動数。
③ 開口端補正。 1 回目の共鳴では、腹(管口の少し外)から水面(節)までが のはず。管の長さは しかないから、腹は管口の外
の位置にある。
まとめ 「差を取れば系統誤差が消える」——開口端補正に限らず、実験データ処理の普遍的な知恵である(単振り子で周期を 10 往復まとめて測るのも同族)。そして差し引きの後に残った を「誤差」と捨てずに、開口端補正という物理量として拾い上げる——(3) はその測定になっている。
(1) (2) (3)
別解
もし補正を無視したらどうなるかを見るルート。 と信じると 、——正しい 425 Hz から 5 % もずれる。差で計算した との食い違いが、「管口の腹は外にある」ことの動かぬ証拠である。
実験で 2 つの計算ルートの答えが合わないとき、それはミスではなく見落としていた物理(ここでは開口端補正)の発見かもしれない——という教訓つきの検算である。
ポイント
- 共鳴間隔=λ/2(補正が相殺)
- L1 単独は使わない
- 残差 1 cm が開口端補正
よくある間違い
- λ=4L₁ で計算する
- 共鳴間隔を λ とする
- 補正を水面側に付ける