物理 / 波の伝わり方と音
縦波の横波表示と疎密
問題
軸正の向きに進む縦波(疎密波)を、 軸正の向きの変位を 軸正の向きに描き直して横波のように表示したところ、図のような波形になった。図の A〜D のうち、(1) 最も密な点 (2) 最も疎な点 はそれぞれどれか。
ヒントを見る
疎密の候補は変位が 0 の点(山や谷ではない)。その点の左右の媒質がどちらへ変位しているかを矢印で描き込むと、「寄ってくる」か「逃げていく」かが見える。
解答・解説
方針
横波表示で変位 0 の点が疎密の候補。左右の媒質が寄ってくる(左が+右が−)のが密=下り坂の零点 C。逆の上り坂の零点 A が疎。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 横波表示のグラフは「上=右へ変位、下=左へ変位」という翻訳表である。疎密を見るには、各点の左右の媒質がどちらへ動いた(変位した)かを矢印で描き戻せばよい。
① 密の点。 変位 0 の点のうち、左隣が (右へ変位)・右隣が (左へ変位)の点には、両側から媒質が寄ってくる——ここが密である。グラフでは下り坂の零点、すなわち
② 疎の点。 逆に左隣が ・右隣が の点からは媒質が逃げていく——疎である。上り坂の零点、すなわち
まとめ 「密=下り坂の零点、疎=上り坂の零点」(右向き変位を上に取る流儀のとき)。ただし結論の丸暗記は事故のもと——左右の変位矢印を 2 本描いて「寄る=密/逃げる=疎」を毎回 10 秒で確認するのが確実である。山・谷(B・D)は変位最大だが、両隣が同じ向きに動くので疎密はふつう(密でも疎でもない)。
(1) 密: C(変位 0 で、グラフが下り坂の点) (2) 疎: A(変位 0 で、グラフが上り坂の点)
別解
「圧力」の言葉で言い直すルート。 密の点は圧力(密度)が最大、疎の点は最小である。音波でいえば、圧力変化が最大になるのは変位が 0 の場所——変位と圧力は 波長(90°)ずれている。
この「変位最大≠圧力最大」は直感に反するが、閉管の口(変位の節=圧力の腹)で音が強く反射する理由など、気柱の物理の土台になっている。
ポイント
- 横波表示=変位の向きの翻訳表
- 密=寄ってくる(下り坂の零点)
- 山谷は変位最大だが疎密は普通
よくある間違い
- 山(変位最大)を密と答える
- 矢印を描かず暗記だけで判定して逆にする
- 波の進行向きと変位の向きを混同する