物理 / 波の伝わり方と音
円運動する音源のドップラー効果
問題
振動数 の音源が、半径 の円周上を速さ で等速円運動している。円の外の遠方に静止した観測者がいる。(1) 観測者が聞く振動数の最大値と最小値 (2) 音源が円周上のどの位置で出した音が、最大・最小として聞こえるか (3) 円の中心で聞く観測者にはどう聞こえるか を答えよ。音速を とする。
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斜めドップラーの考え(視線方向の成分だけが効く)を円周上の各点に当てはめる。成分が最大になるのは、速度ベクトルがちょうど観測者を向く位置——円のどこか。中心にいる観測者への成分は?
解答・解説
方針
効くのは視線方向の速度成分。円運動では成分が −20〜+20 まで振動し、接線が視線と重なる位置で ±20。中心へは常に垂直で成分 0。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 円運動+ドップラーは、斜めドップラー「視線成分だけが効く」の応用である。円周上を回る間に視線成分は の間で振動する——その両端と 0 の位置を幾何で特定する。
① 最大・最小の振動数。 視線成分が (全速で近づく)のとき
(全速で遠ざかる)のとき
② その位置。 速度は常に円の接線方向。遠方の観測者から円へ引いた 2 本の接線の接点で、速度がちょうど視線に重なる——手前へ向かう側の接点で最大、逆の接点で最小の音が出る。
③ 中心の観測者。 中心へ向かう視線は常に半径方向で、速度(接線方向)と常に垂直。視線成分は永久に 0:
まとめ 遠方の観測者にはサイレンが の間を周期的にうねって聞こえ、中心では澄んだ一定音——同じ音源でも聞く場所で全く違う。回転体からの波の周波数変調は、連星の視線速度の測定(ドップラー分光)で恒星の質量を量る方法そのものであり、この問題は天文学の測定原理の縮図である。
(1) 最大 、最小 (2) 観測者への視線と速度が平行になる 2 つの接点(近づく側で最大、遠ざかる側で最小) (3) 常に速度が視線と垂直なので のまま
別解
成分のグラフで全体像を見るルート。 円運動の角度を とすると、遠方の観測者への視線成分は ——正弦波状に振動する。聞こえる振動数も
と周期的にうねる(±20 の両端で 765/680)。「振動数の時間変化のグラフ」を思い描くと、(1)(2) が 1 枚の絵にまとまる——通過型(直線)の段差グラフと対で覚えたい。
ポイント
- 視線成分は接点で ±最大
- 中心へは常に垂直=効果なし
- 連星の分光測定と同じ原理
よくある間違い
- 最近接点(円の手前)で最大とする
- 中心でも変動すると考える
- 円運動の速さが変わると誤解する