物理 / 波の伝わり方と音

斜め方向のドップラー効果

★★★ 応用ドップラー効果斜め

問題

振動数 の音源が速さ でまっすぐな道を走っている。音源から見て進行方向と の方向にいる観測者(静止)に届く音の振動数を求めよ。音速を とする。

音源20 m/s観測者60°
進行方向から 60° の方向に観測者がいる
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観測者の真横を通り過ぎる瞬間(90°)なら、ドップラー効果はゼロになる。関係するのは、速度のうち「観測者へ近づく成分」だけである。60° 方向なら、その成分はいくらか。

解答・解説

方針

ドップラー効果に関係するのは観測者へ向かう速度成分だけ。vcos60°=10 を通常の式の vs に入れる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) ドップラー効果を生むのは「音源と観測者の距離が縮む速さ」である。斜め方向では、速度ベクトルのうち視線方向の成分だけが距離を縮める。残りの成分は横方向の動きで、音の高さに関係しない。

① 視線方向の成分。

② ドップラーの式に入れる。

2010視線方向の成分だけが効く
速度を分解。観測者へ向かう成分 20cos60°=10 m/s

まとめ真正面(、成分 20)なら 、真横(、成分 0)なら のままである。角度が開くほど効果が薄まり、真横でゼロになる。救急車が近づくにつれ音程が「少しずつ」下がって聞こえるのは、通過に近づくほど が小さくなるからである(段差に聞こえるのは真横を高速で通る場合)。

答

視線方向の速度成分 を使い

別解

距離の変化率で定義から考えるルート(発展)。 ドップラー効果の一般形は「距離 の縮む速さ 」で書ける: 。音源が斜めに走るとき、 となる(幾何から)。これが「成分だけが関係する」ことの正確な意味である。

人工衛星の電波の周波数偏移から位置を求める(GPS 以前のトランシット航法)など、「距離変化率の測定」としてのドップラー効果は、現代の技術でも使われている。

ポイント

  • 関係するのは視線方向の成分だけ
  • vcosθ を通常の式へ
  • 真横で効果ゼロ

よくある間違い

  • 20 m/s をそのまま使う
  • sin60° を掛ける
  • 観測者側の式に入れる