物理 / 剛体のつり合い
くり抜いた円板の重心
問題
半径 の一様な円板から、中心が円板の中心 O から だけ離れた半径 の円をくり抜いた。残った部分の重心は、O からどちら側にどれだけ離れた位置にあるか。また、 のときの距離を求めよ。
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くり抜きは「負の質量を足す」か「元に戻して考える」か。おすすめは後者で、「残った部分+くり抜いた円板=元の円板」という関係から、元の重心 O を加重平均で表してみること。
解答・解説
方針
「残り=全体−穴」を「全体=残り+穴」と読み替える。全体の重心(O)は、残りの重心と穴の重心の加重平均になっている、という式を立てて逆算する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 くり抜き問題の定石は、「残り+穴=元の全体」と逆向きに組み立てること。元の円板の重心は O とわかっているから、「残りの重心」と「穴の重心」の加重平均が O になる、という方程式が立つ。
① 質量(面積)の整理。 面積は半径の 2 乗に比例する。元の円板( とする)、穴()、残り()。穴の中心は O から (右とする)。
② 加重平均の式。 残りの重心を とすると、全体の重心が O()だから
③ 解く。
負号は穴と反対側を意味する。 なら
まとめ 材料を右から取り除けば、重心は左へ逃げる——向きの直感とも合う。「引き算の図形は、足し算の式に読み替える」。この 1 手でくり抜き系はすべて機械的に解ける。
答
くり抜いた穴と反対側に 。 なら
別解
負の質量で処理するルート(得意な人向け)。 くり抜きを「面積 の円板を重ねた」とみなして、そのまま加重平均する。
1 行で同じ答えになる。負の質量は道具としては強力だが、符号の意味(取り除いた分)を理解した上で使うこと。
ポイント
- 残り+穴=元の全体、で式を立てる
- 面積は半径の 2 乗に比例(4S と S)
- 重心は穴と反対側へ R/3
よくある間違い
- 面積比を半径比 2:1 のまま使う(4:1 が正しい)
- 重心が穴側に寄るとする(材料が減った側から遠ざかる)
- R/3 を 2R 基準と混同して距離を 2 倍にする