物理 / 剛体のつり合い

はしごに人が乗る

★★ 標準はしご摩擦

問題

長さ 、重さ の一様なはしごを、なめらかな壁に床と をなすように立てかける。重さ の人が、はしごに沿って下端から の点まで登った。(1) 壁がはしごを押す力 (2) はしごがすべらないために必要な静止摩擦係数の最小値 をそれぞれ求めよ。

人 400 N45°4.0 m・100 N3.0 m
45° のはしご(100 N)を人(400 N)が下端から 3.0 m まで登る
ヒントを見る

s04 に人の重さが 1 項加わるだけ。人のうでの長さは「はしごに沿った距離×cos45°」で、はしご自身と同じように扱える。45° の約分を活かそう。

解答・解説

方針

床の接点まわりで、はしごの重さ(中央)と人(3.0 m 地点)のモーメントを足す。45° なので三角比が消え、N_W×4.0=100×2.0+400×3.0。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 s04 と同じ構図に、人の重力の項が 1 つ増えるだけである。床の接点まわりのモーメントで立てれば、 が全項で共通になって消える。

① 床の接点まわりのモーメント。 はしごに沿った距離を使うと( が全項共通で消えるので)

② すべらない条件。 水平のつり合い: 。鉛直のつり合い:

まとめ s04 の が、人が登ったことで に跳ね上がった。人が高く登るほど が増え、すべりやすくなる——はしごの上のほうで作業するときほど危険、という現場の常識が式で確かめられる。人がどこまで登れるかを逆算するのが a02 である。

(1) (2)

別解

人の位置を変数のまま見るルート(得意な人向け)。 人の位置を下端から とすると

。この式は の 1 次関数で、登るほど壁への力(=必要な摩擦)が一定の割合で増えることを示す。数値を入れる前に構造を見る習慣は、記述式の説明にも直結する。

ポイント

  • 人の重力も同じ形で 1 項追加
  • 45° は沿った距離のまま計算できる
  • 登るほど必要な μ が増える

よくある間違い

  • 人のうでを鉛直距離 3.0sin45° にしてしまう(水平距離 3.0cos45° が正しく、共通因子として消える)
  • N を 500 でなく 100 のままにする
  • s04 の μ=0.50 をそのまま答える