物理 / 剛体のつり合い

ちょうつがいの棒を糸で支える

★★ 標準剛体のつり合い張力

問題

長さ 、重さ の一様な棒 AB の A 端が壁にちょうつがいで取り付けられ、B 端と壁の上方を糸で結んで、棒を水平に保った。糸と棒のなす角は である。(1) 糸の張力 (2) ちょうつがいが棒に加える力の水平成分と鉛直成分 をそれぞれ求めよ。 とする。

AB30°30 N
ちょうつがい A・水平な棒・B 端から壁上方への糸(棒と 30°)
ヒントを見る

張力は斜めなので、モーメントを立てる前に成分に分解する(または、うでの長さを sin で縮める)。回転を支えているのは張力のどの成分か。ちょうつがいの力は例によって A まわりで消す。

解答・解説

方針

A まわりのモーメント: 張力の鉛直成分 Tsin30° が B 端で棒を支える。Tsin30°×1.2=30×0.6 から T。次に水平・鉛直それぞれの力のつり合い。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 定番の 3 点セット——ちょうつがい・棒・斜めの糸。手順は決まっている。A まわりのモーメントで を出し、次に水平・鉛直の力のつり合いでちょうつがいの力を拾う。張力は斜めだから、モーメントには鉛直成分 だけが効く。

① A まわりのモーメント。

② 力のつり合い。 ちょうつがいの力を水平 (壁から離れる向き)、鉛直 (上向き)とする。

水平: 糸の水平成分は壁向きに 。よって

鉛直: より

T=30Tsin30°=15Tcos30°=2630 NH=26V=15
張力の分解と、ちょうつがいの力 H・V のつり合い

まとめ 張力の鉛直成分 とちょうつがいの鉛直成分 で、棒の重さ をちょうど半分ずつ支えている(重心が中央だから)。水平方向は「糸が壁へ引く 」と「ちょうつがいが押し返す 」の綱引きである。

(1) (2) 水平成分 (壁向き)、鉛直成分 (上向き)

別解

うでの長さを縮めるルート。 張力を分解せず、A から糸の作用線への垂線(うで)を測る。うでの長さは だから

分解ルートと同じ答え。図で垂線を引ける人にはこちらが速い。b02 で確認した「分解か、うで縮小か、どちらか一方」の実戦形である。

ポイント

  • モーメントに効くのは Tsin30°(鉛直成分)
  • T→水平・鉛直のつり合いの順
  • 重心中央なら鉛直の分担は半々

よくある間違い

  • T×1.2 と分解せずに掛けて T=15 N とする
  • 水平のつり合いを忘れて H を求めない
  • cos と sin を取り違える(角は糸と棒のなす角)