物理 / 剛体のつり合い
斜面上の物体は倒れるか
問題
幅 、高さ の一様な直方体を、水平から 傾いたあらい斜面の上に置く(すべらないものとする)。この直方体は倒れるか、倒れないか。理由とともに答えよ。 とする。
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倒れるかどうかは、重心から真下に下ろした線が「底面の内側」に落ちるかで決まる。傾き 30° のとき、その線が底面の下側の角よりも外に出ていないかを、比(タンジェント)で比べてみよう。
解答・解説
方針
転倒の判定は「重心から下ろした鉛直線が底面の範囲内を通るか」。境界は tanθ=(底面の半幅)/(重心の高さ)=b/h。tan30°と 0.60/1.2 を比べる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 転倒の判定基準はただ 1 つ。重心から下ろした鉛直線が、底面(支持面)の内側を通るか。内側なら重力は物体を底面に押し戻す向きに回し、外に出たら下端の角のまわりに倒す向きに回す。
① 物体の形の比。 幅 、高さ だから
② 斜面の傾きと比較。
③ 判定。 なので、鉛直線は底面の下端の角より外に出る。よって倒れる。
まとめ 背が高く底の狭い物体ほど が小さく、緩い傾きでも倒れる。バスの荷棚の背の高い荷物が倒れやすい理由がこの式に入っている。すべりの判定( との比較)とは独立の条件であることも、次の段階(s09)で効いてくる。
倒れる。重心からの鉛直線が底面の下端の角より外に出るから()
別解
幾何で直接見るルート。 重心は直方体の中心(底面から 、幅方向の中央)。鉛直線が底面の下端の角を通る条件は、中心から底面の角へのベクトルの傾きが鉛直と一致すること。
中心から下端の角までは、幅方向 ・高さ方向 で、その傾き()は 。斜面が 傾くと鉛直線は斜面に対し 傾き、 だから角を越える。図を描いて角度を測る、という原始的な方法でも同じ判定に着く。
ポイント
- 転倒判定=重心の鉛直線が底面内か
- 境界は tanθ=b/h
- 背が高いほど倒れやすい
よくある間違い
- μ と比べてしまう(それはすべりの判定)
- b/h の b と h を逆にして tanθ=2.0 と比べる
- 重心を底面上に置いて判定する(重心は中心)