物理 / 剛体のつり合い

壁も床もあらい、はしごの限界角

★★★ 応用はしご摩擦文字式

問題

重さ の一様なはしごを、あらい壁にあらい床から角 で立てかける。床・壁との静止摩擦係数はともに である。すべる寸前(床・壁とも最大摩擦力がはたらく)のはしごについて、(1) 床の垂直抗力 で表せ。(2) 限界の角 について を求めよ。

N₂f₂=μN₂WN₁f₁=μN₁θ
壁もあらい場合。壁の摩擦 f₂(上向き)が加わり、力は 5 本になる
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壁があらくなると、壁からの摩擦(上向き)がはしごを支えてくれる。力は 5 本(重力、N₁、f₁、N₂、f₂)。臨界では f=μN が 2 か所で成り立つ。未知数と式の数を数えてから、水平→鉛直→モーメントの順に片づけよう。

解答・解説

方針

臨界では床の摩擦 f₁=μN₁(壁向き)、壁の摩擦 f₂=μN₂(上向き)。水平・鉛直のつり合いで N₁、N₂ を出し、下端まわりのモーメントで tanθ を求める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 a01 との違いは、壁の摩擦 (上向き)が加わること。力は 5 本になるが、すべる寸前という条件が の 2 本の関係をくれるので、未知数は実質 の 3 つ。水平・鉛直・モーメントの 3 式で解ける。

① 力のつり合い。 水平: 壁の垂直抗力 と床の摩擦 がつり合う。

鉛直: と壁の摩擦 が重力を支える。

② 下端まわりのモーメント。 はしごの長さを とすると、壁の (うで )と (うで )が重力()を支える。

を代入し、 で割って整理すると

まとめ ——またも ()。壁がなめらかな a01 では ()だったから、壁の摩擦のおかげで 8° ほど深く寝かせられる。摩擦が 1 か所増えるだけで式は重くなるが、手順(つり合い→モーメント)は何も変わらない。

(1) (2)

別解

極端な場合で式を点検するルート。 得た式 (壁も床もつるつる)を入れると : 垂直にしか立てられない——正しい。 なら : どんなに寝かせてもすべらない——これも直感に合う。

文字式の答えは、極端な値を代入して振る舞いを確かめると、係数のミスの大半を検出できる。 は、この 2 つの極限の間に素直に収まっている。

ポイント

  • 壁の摩擦(上向き)が第 5 の力
  • 臨界では 2 か所で f=μN
  • tanθ_min=(1−μ²)/(2μ)、極限で点検

よくある間違い

  • 壁の摩擦の向きを下向きにする(すべり出す向きの逆=上向き)
  • f₂ のモーメント(うで Lcosθ)を落とす
  • a01 の 1/(2μ) をそのまま答える