物理 / 剛体のつり合い

はしごをどこまで登れるか

★★★ 応用はしご摩擦

問題

長さ 、重さ の一様なはしごを、なめらかな壁に床と をなすように立てかける。床との静止摩擦係数は である。重さ の人は、はしごに沿って下端から何 m のところまで登れるか。

人 500 N(d は?)45°5.0 m・100 N壁なめらかμ=0.50
45° のはしごを人が登る。どこまで登るとすべり出すか
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s05 で人の位置を変数 d にした式 N_W=(100×2.5+500d)/5.0 を作り、すべらない条件 N_W≤μ×(全体重)に流し込む。登るほど N_W が増える、という向きを意識して不等式を解こう。

解答・解説

方針

人の位置を d として床まわりのモーメントで N_W を d の式にする(45° で三角比が消える)。f=N_W≤μN=0.50×600=300 N の条件から d の上限を出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 人が登るほど壁への力 が増え(s05)、床の摩擦がそれを支えきれなくなった瞬間にはしごはすべる。 を人の位置 の式にして、摩擦の上限と比べる——この 2 段で、登れる限界が出る。

① N_W を d の式にする。 床の接点まわりのモーメント( で三角比は消える)より

② 摩擦の上限。 鉛直のつり合いより 。水平のつり合いより 。すべらない条件は

③ d の上限。

はしごの中点までしか登れない

まとめ はしご(a01)の条件 は等号ぎりぎり——人がいなくても限界の立てかけ方だった。そこに人が乗ると、少し登っただけで限界を超える。「登れる高さ」は角度と摩擦の余裕の写し絵である。

(はしごの中点)まで

別解

限界状態から逆算するルート。 すべる寸前は 、よって 。床まわりのモーメントに戻すと

不等式を等式(臨界)で置き換えて解く流儀。答えは同じで、「限界のときに何が起きているか」が式の上で見えやすい。

ポイント

  • N_W=50+100d(登るほど増える)
  • すべらない条件 N_W≤μ(W+W人)
  • 45°・μ=0.50 は人なしで既に限界

よくある間違い

  • N を 100 N のまま使う(人の分を足して 600 N)
  • d をはしごに沿う距離でなく水平距離と混同する(45° で共通因子が消えるのは両者同じ扱いのとき)
  • a01 の条件を確認せず矛盾に気づかない