物理 / 剛体のつり合い

はしごがすべらない条件(一般式)

★★★ 応用はしご摩擦文字式

問題

重さ の一様なはしごを、なめらかな壁に床と角 をなすように立てかける。床とはしごの間の静止摩擦係数を とする。(1) 壁がはしごを押す力 で表せ。(2) はしごがすべらないための条件を の関係で表せ。(3) のとき、立てかけられる最小の角を求めよ。

N_WWNfθ
角 θ で立てかけた重さ W のはしご。すべらない条件を求める
ヒントを見る

s04 の数値を全部文字に置き換えて、同じ手順をなぞる。最後に f≤μN へ N_W を代入すると、tanθ だけの不等式に整理できる。θ が小さい(寝かせる)ほど危ないはず、と予想してから式を確かめよう。

解答・解説

方針

床の接点まわりのモーメントで N_W を出す(s04 の文字版)。f=N_W≤μN=μW から tanθ の条件に整理する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 s04 でやった数値計算を文字で一般化する。狙いは「どこまで寝かせられるか」を だけで書くこと。手順は同じ——床まわりのモーメント、次に力のつり合い、最後に摩擦の不等式。

① 床の接点まわりのモーメント。 はしごの長さを とすると

( は消える——はしごの長さによらない。)

② すべらない条件。 水平のつり合いより 、鉛直より に代入して

③ μ=0.50 の場合。

最小の角は

まとめ 寝かせるほど( 小) が増えて摩擦の限界を超える。式が「はしごは立てて使え」と言っている。 も消えて だけで決まる、という結論の潔さが文字式のご褒美である。

(1) (2) (3)

別解

限界の状態だけを直接解くルート。 すべる寸前では が確定している。水平のつり合いから 。これを床まわりのモーメント

に入れると 、つまり限界角は 。不等式で攻めるか、臨界の等式で攻めるか——同じ結論に着く 2 つの入口である。

ポイント

  • N_W=W/(2tanθ)(長さ L は消える)
  • すべらない条件 tanθ≥1/(2μ)
  • 寝かせるほど危険

よくある間違い

  • 重力のうでを Lcosθ とする(重心は中央で L/2)
  • sin と cos を逆にして tanθ≤2μ 型の式を出す
  • μ=0.50 で 30° や 60° と答える(tanθ=1 は 45°)