物理 / 原子
X 線の連続スペクトルと特性 X 線
問題
X 線管で発生する X 線には、連続スペクトルと、特定の波長に鋭いピーク(特性 X 線)がある。(1) 連続スペクトルの最短波長を決めるのは何か。加速電圧 での最短波長を求めよ。 (2) 特性 X 線の波長は何で決まるか。、、 とする。
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連続スペクトルは電子の制動で生じ、最短波長は電子のエネルギー eV で決まる(基礎の計算)。特性 X 線は、電子がターゲット原子の内側の電子をはじき出し、そこへ別の電子が落ちるときの準位差——だから元素固有の波長になる。
解答・解説
方針
連続X線の最短波長=eVから(加速電圧で決まる)。特性X線=ターゲット原子の準位遷移(元素で決まる)。2種類の起源の区別。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 X 線には2 つの起源がある——連続スペクトル(電子の制動、電圧で決まる)と特性 X 線(原子の準位遷移、元素で決まる)。それぞれ何が波長を決めるかを区別する。
① 連続スペクトルの最短波長。 電子の運動エネルギー がまるごと 1 光子になったとき最短(基礎の X 線と同じ):
加速電圧で決まる(電圧が高いほど短波長)。
② 特性 X 線の波長。 加速電子がターゲット原子の内側の電子をはじき出し、そこへ外側の電子が落ちる——その準位差が特性 X 線になる。準位はターゲット元素固有なので、波長も元素で決まる(電圧を変えても波長は不変)。
まとめ 「連続=電圧で決まる(電子の制動)、特性=元素で決まる(原子の準位遷移)」——2 つのメカニズムがはっきり違う。特性 X 線が元素固有であることは、逆に未知試料の元素分析に使える(X 線分光)。連続スペクトルは水素スペクトルと違い、電子が任意にエネルギーを失える(制動)ので連続になる。一方、特性 X 線は原子内のとびとびの準位遷移だから鋭い線になる——「連続 vs 線スペクトル」の違いが、起源(制動 vs 準位遷移)を反映している。
(1) 加速電圧(電子の運動エネルギー eV)。 (2) 陽極(ターゲット)の金属元素の種類(その原子のエネルギー準位間の遷移)で決まる
別解
加速電圧を変えたらどうなるかのルート。 電圧を上げると、連続スペクトルの最短波長は短くなる( で 増→ 減)が、特性 X 線のピーク波長は動かない(元素の準位で決まるから)。この「電圧で動く/動かない」の違いが、2 つの成分を見分ける実験的な決め手になる。
「電圧を変えて何が動くか」を考えると、連続(電圧依存)と特性(元素依存)の起源の違いが実感できる——実験で 2 成分を分離する発想である。
ポイント
- 連続=eV(電圧で決まる・制動)
- 特性=元素の準位遷移(電圧不変)
- 特性X線で元素分析
よくある間違い
- 特性 X 線も電圧で決まるとする
- λmin=eV/hc と逆にする
- 連続と特性の起源を取り違える