物理 / 原子
コンプトン効果
問題
X 線を物質に当てると、散乱された X 線の中に、入射 X 線より波長の長い成分が現れる(コンプトン効果)。(1) この現象は光の粒子性・波動性のどちらの証拠か。 (2) 波長が伸びる理由を、光子と電子の衝突という観点から説明せよ。
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光子を『粒』とみなし、静止した電子とビリヤードのように衝突すると考える。光子は電子にエネルギーと運動量を渡すので、自分のエネルギー(hν)が減る——振動数が下がり波長が伸びる。これは波動説では説明できない。
解答・解説
方針
光子を『エネルギーhνと運動量h/λを持つ粒子』とみなし、電子と弾性衝突。光子がエネルギーを失う→振動数下がる→波長伸びる。粒子性の証拠。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 コンプトン効果は「光子を粒子として、電子とビリヤードのように衝突させる」と説明できる——光電効果に続く、光の粒子性の決定的証拠である。
① どちらの証拠か。 粒子性。光子が運動量 を持つ粒子として電子と衝突する、と考えて初めて説明できる(波動説では波長が変わる理由がない)。
② 波長が伸びる理由。 光子(エネルギー 、運動量 )が静止した電子と弾性衝突する。衝突で光子はエネルギーと運動量の一部を電子に渡す → 散乱後の光子のエネルギー が減る → 振動数が下がり、 が伸びる。
まとめ 「光子= を持つ粒子」として運動量保存・エネルギー保存を立てると、波長の伸び (散乱角 依存、応用)が導ける。光電効果(光子のエネルギー)とコンプトン効果(光子の運動量)が、光の粒子性の 2 本柱である。ビリヤードの衝突と同じ力学(運動量・エネルギー保存)が、光子と電子の間で成り立つ——「光も運動量を持つ粒子」という驚くべき事実の実験的確証である。
(1) 粒子性(光子が粒子として電子と衝突する) (2) 光子が電子と弾性衝突してエネルギー(と運動量)の一部を電子に渡すため、散乱光子のエネルギー が減り、 が伸びる
別解
光電効果との違いを整理するルート。 光電効果は「光子が電子に全エネルギーを渡して消える」(吸収)。コンプトン効果は「光子が電子に一部を渡して散乱される」(弾性衝突)——光子は消えず、エネルギーを減らして進み続ける。
光電効果=光子のエネルギー()の証拠、コンプトン効果=光子の運動量()の証拠——2 つの現象で光子の「エネルギーと運動量」が別々に確かめられた。二重性の完成である。
ポイント
- 光子を粒子として衝突(粒子性の証拠)
- 光子がエネルギーを失い波長が伸びる
- 光電効果=エネルギー、コンプトン=運動量
よくある間違い
- 波動性の証拠とする
- 波長が短くなると考える
- 光子が消える(吸収)と混同する