物理 / 原子
核分裂のエネルギー(総合)
問題
ウラン 235 の核分裂 1 回で、質量が約 減少する。(1) 核分裂 1 回で放出されるエネルギーを MeV で求めよ。 (2) ウラン ( 個)がすべて核分裂したときの総エネルギーを J で求めよ。 (3) これを石炭(1 g で約 )と比べよ。、 とする。
ヒントを見る
(1) 質量減少に 931 を掛けて 1 回のエネルギー。(2) それを J に直し、1 g の核の個数を掛ける。(3) 石炭 1 g のエネルギーで割って倍率を出す——核燃料が化学燃料の百万倍のスケールであることを確認する。
解答・解説
方針
1回のQ値=0.2u×931=187MeV。1gの個数を掛けて総エネルギー。石炭と比べて核燃料が桁違い(百万倍超)。物理の総まとめ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 物理の総まとめ問題。「(基礎)→ 質量欠損(標準)→ Q 値 → 1 g 分の総量 → 化学燃料と比較」と、原子分野の要素を積み上げる。
① 1 回のエネルギー。
② 1 g の総エネルギー。 1 回を J に直す:
個ぶん:
③ 石炭との比較。
まとめ ウラン 1 g が石炭の約 260 万倍のエネルギー——核燃料の桁外れの効率が数字で見える。この差は「化学結合(eV)vs 核結合(MeV)」の百万倍の差()そのもの。原子力発電が少量の燃料で膨大な電力を生む理由、そして核兵器の破壊力の源が、この計算に集約されている。——アインシュタインの 1 本の式が、質量欠損 → 結合エネルギー → 核反応のエネルギーとして、原子力の時代を切り開いた。光子(粒子性)・物質波(波動性)・原子構造(量子化)・原子核(質量とエネルギー)——原子分野の全体が、この最終問題で「ミクロの物理が現代文明のエネルギーを支えている」という一点に結実する。高校物理の到達点である。
(1) (2) 1 回 、総量 (3) 石炭 1 g の約 倍(約 260 万倍)
別解
エネルギー密度で実感するルート。 ウラン 1 g で ——標準的な家庭の年間電力消費()の数年分が、たった 1 g に。石炭なら数トン必要な電力が、ウランなら数 g で賄える。
「エネルギー密度=1 g あたりのエネルギー」で比べると、核燃料(核結合、MeV)と化石燃料(化学結合、eV)の百万倍の差が、資源・環境・エネルギー政策の現実に直結していることが分かる——物理が社会とつながる最終地点である。
ポイント
- Q=0.2u×931=187 MeV(1回)
- 総量=1回×個数
- 核燃料は化学燃料の百万倍(eV vs MeV)
よくある間違い
- MeV を J に直し忘れる
- 1 g の個数を掛け忘れる
- 石炭との比較で桁を誤る