物理 / 原子
水素スペクトルの系列
問題
水素原子のスペクトルは、電子が落ち込む先の準位で系列に分かれる。()、 とする。(1) の系列(ライマン系列)で、 から出る光の波長を求めよ。 (2) ライマン系列()とバルマー系列()は、それぞれ紫外・可視・赤外のどれか。 (3) 各系列で最も短い波長(系列限界)は で決まることを説明せよ。
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(1) は式に n1=1, n2=2 を代入。(2) 落ち込む先(n1)が深いほど準位差が大きく短波長——n1=1 は最も深い。(3) n2 を大きくすると 1/n2² が 0 に近づき、1/λ が最大(波長最短)に頭打ちになる——それが系列限界。
解答・解説
方針
リュードベリの式で系列ごとに波長。n1=1は紫外、n1=2は可視。n2→∞で1/n2²→0が系列の短波長端(系列限界)。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 水素スペクトルは「落ち込む先 」で系列に分かれる—— が深い(小さい)ほど準位差が大きく短波長になる。系列の構造を整理する。
① ライマン系列の 。
② 各系列の波長域。
- ライマン系列(): 最も深い準位への遷移=準位差最大=紫外
- バルマー系列(): やや浅い=準位差が中程度=可視
(さらに のパッシェン系列は赤外。)
③ 系列限界。 では なので
が最大=波長が最短。これより短い波長の線は出ない(=系列限界)。 は自由になった電子が に落ちる遷移(=イオン化の逆)に対応する。
まとめ 「 で系列(波長域)が決まり、 で系列内の各線が決まる」—— が大きくなるほど線が系列限界に集積する(準位が に集積するのと対応)。各系列限界は で、ライマン限界は約 91 nm。この規則正しい線スペクトルが、ボーア模型(応用 a02)で完全に説明され、量子論の正しさを実証した。星や星雲の水素スペクトルを観測すれば、宇宙のどこでも同じ物理法則が成り立っていることが分かる——スペクトルは宇宙共通の指紋である。
(1) 、(紫外) (2) ライマン=紫外、バルマー=可視 (3) で 、 が最大=波長が最短。これより短い波長の線は出ない(系列限界)
別解
準位図で系列を見るルート。 エネルギー準位図で、 へ落ちる矢印(ライマン)は最も長く(準位差大=短波長)、(バルマー)、(パッシェン)と落ち先が浅くなるほど矢印が短い(準位差小=長波長)。各系列内では が大きいほど矢印が長く(準位差大)、 で系列限界。
「準位図の矢印の長さ=準位差=光子エネルギー」——矢印で系列を整理すると、どの遷移がどの波長域かが一目で分かる。準位図はスペクトルの設計図である。
ポイント
- n1で系列(波長域)、n2で各線
- ライマン=紫外、バルマー=可視
- n2→∞ が系列限界(短波長端)
よくある間違い
- n1 と n2 を取り違える
- 系列限界を最長波長とする(最短)
- 1−1/4 の計算を誤る