物理 / 円運動と万有引力
連星の周期(ケプラー第3法則の一般化)
問題
宇宙空間で、質量 の星 A と質量 の星 B が、たがいの万有引力だけを受けて、共通の重心のまわりをそれぞれ等速円運動している。2 星間の距離は常に に保たれている。万有引力定数を とする。
(1) 重心から星 A、星 B までの距離をそれぞれ求めよ。
(2) 円運動の角速度 を求めよ。
(3) 周期 を、全質量 を用いた形にまとめよ。
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2つの星は同じ角速度で回る(いつも一直線+重心を挟んで反対側)。重心からの距離は質量の逆比。星1つを選び、「向心力=万有引力」の運動方程式を立てる——向心力に使う半径は重心からの距離、万有引力に使う距離は星間の d であることに注意。
解答・解説
方針
2星の運動方程式を別々に立てる。向心力はどちらも同じ万有引力。重心からの距離は質量の逆比になることを使うと、ω が1つに決まる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 2 体が回る問題でも、立てる式はいつもの 円運動の運動方程式 1本ずつである。
まず重心の位置を押さえる。重心からの距離は質量の逆比だから、軽い A の方が大きく回る。次に星を1つ選び、「向心力=万有引力」を立てる。
注意点は、向心力の半径は重心からの距離、万有引力の距離は星間 という2つの長さを混同しないこと。
① 重心からの距離。 重心は質量の逆比に内分する点。 だから、重心からの距離は逆比で
② 運動方程式。 2 星は同じ角速度 で回る。星 A について、向心力(半径 )がはたらく万有引力(距離 )に等しい。
星 B で立てても()同じ になり、つじつまが合う。
③ 周期。 より
まとめ 連星でも「向心力=万有引力」を星ごとに立てるだけ。周期を全質量 で書くと となり、太陽と惑星のケプラー第3法則(=太陽質量)とそっくり同じ形に一般化される。
A:、B:、、
別解
換算質量で1体問題にするルート。 相対座標(星間ベクトル)に注目すると、2体問題は「質量 の1粒子が、距離 で全質量 からの引力を受ける」1体問題に化ける。
同じ答えに一発で着く。換算質量は大学で学ぶ考え方だが、連星の周期公式が全質量だけで決まる理由がすっきり見える。
ポイント
- 重心からの距離は質量の逆比(A:2d/3、B:d/3)
- 向心力の半径=重心距離、万有引力の距離=星間 d を区別
- T=2π√(d³/GM)、M は全質量。ケプラー第3法則の一般形
よくある間違い
- 向心力の半径に星間距離 d を使ってしまう(正しくは重心からの距離)
- 万有引力の距離に重心からの距離を使う(正しくは星間 d)
- 2 星の角速度が違うと考える(共通重心のまわりなので同じ)