物理 / 円運動と万有引力

静止衛星の軌道半径(月との比較)

★★ 標準ケプラーの法則人工衛星

問題

静止衛星は、赤道上空を地球の自転と同じ周期(約 日)で回る人工衛星である。月の公転周期を 日、月の軌道半径を として、ケプラーの第 3 法則を用いて静止衛星の軌道半径(地球の中心から)を求めよ。 を用いてよい。

地球静止衛星(1 日)月(27 日)
月をものさしに、周期比 1:27 から軌道半径を求める
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地球を回る天体どうし(月と静止衛星)だから、第 3 法則の比が使える。周期の比 1:27 を 2/3 乗して半径の比に直す。27 の 2/3 乗は「3 乗根してから 2 乗」。

解答・解説

方針

月も静止衛星も地球を回るので T²/r³ が共通。r衛星=r月×(T衛星/T月)^{2/3}=3.8×10⁵×(1/27)^{2/3}。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 月と静止衛星は同じ地球を回る天体だから、 が共通(ケプラーの第 3 法則)。既知の月を「ものさし」にして、静止衛星の軌道半径を比で出す。

① 比の式。

② 27^{2/3} を計算する。 3 乗根してから 2 乗: 。よって

まとめ 地球の中心から約 4.2 万 km(地表からは約 3.6 万 km)——これが気象衛星ひまわりや放送衛星の実際の高度である。月というものさしと指数 の計算だけで実用の軌道が出てしまうのが、ケプラーの法則の威力である(力学からの直接計算は a08 で)。

()

別解

周期を 3 乗・半径を 2 乗の形で立てるルート。 に数値を入れると

に気づけばこちらも速い。指数の扱いに合わせて、立てやすい形を選べばよい。

ポイント

  • 同じ中心天体なら T²/r³ 共通
  • 27^{2/3}=9(3乗根→2乗)
  • 静止衛星は地心から約 4.2 万 km

よくある間違い

  • 地表からの高度と地心からの距離を混同する
  • 2/3 乗を 3/2 乗にして桁違いの答えを出す
  • 月と太陽系の惑星を混ぜて比べる