物理 / 円運動と万有引力

摩擦力で回る物体の限界

★★ 標準向心力摩擦

問題

回転台の上、中心から の位置に物体を置く。物体と台の間の静止摩擦係数は である。台の角速度をゆっくり大きくしていくとき、物体が滑り出さずにいられる角速度の最大値を求めよ。重力加速度の大きさを とする。

O摩擦力r=0.20 mω を大きくしていく
回転台の上に置いた物体。中心からの距離は 0.20 m で、角速度をゆっくり大きくしていく
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速く回すほど必要な向心力は増えるが、摩擦力には上限がある。「必要な力=摩擦の上限」となるときが限界。式を立てると質量 m が消えることにも注目しよう。

解答・解説

方針

向心力を出せるのは摩擦力だけ。必要な向心力 mrω² が最大静止摩擦 μmg を超えたら滑る。mrω²=μmg から ω=√(μg/r)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 物体を円運動させている力は摩擦力(b08)。角速度を上げると必要な向心力 は 2 乗で増えるが、摩擦力は最大 までしか出せない。需要が供給の上限に達した瞬間が限界である。

① 限界の式。

が消えて

② 数値を入れる。

まとめ が消えるので、重い物体も軽い物体も同じ角速度で滑り出す。また だから、外側に置いた物体ほど先に滑る——回転する円盤の上の砂が外側から飛ばされていく様子が、この式に書かれている。

()

別解

遠心力の立場で見るルート。 台と一緒に回る観測者には、外向きの遠心力 が見える。物体が静止していられるのは摩擦力がこれを支えられる間、つまり

等号が限界で 。慣性系(向心力の需要と供給)でも回転系(遠心力とのつり合い)でも、同じ式・同じ答えになる。

ポイント

  • 摩擦力が向心力の供給源
  • 限界: mrω²=μmg(m は消える)
  • 外側ほど先に滑る(ω∝1/√r)

よくある間違い

  • 摩擦力の向きを外向きにする(慣性系では中心向き)
  • μmg と mrω² の大小の向きを逆にする
  • √ を忘れて 24.5 rad/s とする