物理 / 電磁誘導と交流
送電と変圧器
問題
発電所で の電力を送るのに、(A) で送る場合と、(B) で送る場合を比べる。送電線の抵抗を とする。(1) それぞれの送電線を流れる電流 (2) それぞれの送電線での電力損失()を求め、高電圧送電が有利な理由を述べよ。
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同じ電力 P=VI を送るとき、電圧が高いほど電流は小さくてすむ。送電線での損失は I²r である。電流の 2 乗に比例するので、電流が小さいほど大きく有利になる。2 つの場合の電流と損失を計算して比べよう。
解答・解説
方針
同じ電力を送るなら電圧が高いほど電流が小さい(P=VI)。損失 I²r は電流の2乗なので、高電圧送電で大きく減る。変圧器で昇圧して送る理由。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 送電では「同じ電力なら、高電圧ほど電流が小さい()」ことを使う。そして損失 は電流の 2 乗に比例する。だから電流を小さくする(高電圧にする)ほど損失が大きく減る。
① 各場合の電流。
② 各場合の損失。
電圧を 66 倍にすると、電流は 、損失は となり、約 4400 分の 1になる。
まとめ送電は「高電圧・小電流で送る」のが原則で、変圧器で昇圧してから送るのはこのためである(A では送る電力の 6 割以上が途中で失われるが、B ではほぼ無損失)。発電所→超高圧(数十万 V)で長距離送電→変電所で段階的に降圧→家庭に 。この昇圧・降圧が自在にできるのは交流だからである(変圧器は交流でしか働かない)。交流送電が世界標準になっている最大の理由はこれである。ここまでの話は、すべて損失が「電流の 2 乗」に比例することから来ている。
(1) A: 、B: (2) A: 、B: 。高電圧なら電流が小さく、損失は電流の 2 乗に比例するので大きく減る
別解
損失の割合で見るルート。 (A) では損失 が送電電力 の約 67 % にあたる。送った電力の 3 分の 2 が電線を温めるだけで消える。(B) では とほぼ無損失。
「割合」で見ると、高電圧送電の効果がよく分かる。同じ発電所でも、送り方 1 つで届く電力が 3 倍変わる。エネルギー問題の実際的な重みがこの 2 つの数字に表れている。
ポイント
- P=VI: 高電圧ほど小電流
- 損失 I²r は電流の2乗
- 交流だから変圧器で昇降圧できる
よくある間違い
- 損失を電圧で計算する
- 電流の 2 乗を忘れて 66 倍差とする
- 抵抗 r を負荷抵抗と混同する