物理 / 電磁誘導と交流

コイルを含む回路のスイッチ切り替え

★★ 標準自己誘導過渡

問題

起電力 の電池、抵抗 、自己インダクタンス のコイル、スイッチを直列につないだ。(1) スイッチを入れた直後の電流 (2) 十分に時間がたった後の電流 (3) そのときコイルに蓄えられているエネルギー を求めよ。

ヒントを見る

コイルは『電流の急な変化を嫌う』——スイッチを入れた直後は電流 0(まだ流れ出せない)、十分たつと変化がなくなり抵抗だけで決まる電流に落ち着く。コンデンサーとちょうど逆の振る舞い。

解答・解説

方針

コイルは直後=電流を通さない(断線相当)、十分後=ただの導線相当。コンデンサーと逆。十分後の電流でエネルギー計算。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 コイルの 2 状態はコンデンサーと真逆——直後は断線・十分後は導線(電流 0 から立ち上がる)。理由は「コイルは電流の急変を妨げる(電気の慣性)」から。

① 直後。 コイルが電流の立ち上がりを妨げる → 電流はまだ流れ出せず

② 十分後。 電流が一定になれば で自己誘導起電力も 0——コイルはただの導線に:

③ エネルギー。

まとめ コイル: 直後=断線、十分後=導線。コンデンサー(直流回路の単元): 直後=導線、十分後=断線——きれいに逆である。理由も対照的: コンデンサーは電圧が急変できない、コイルは電流が急変できない。「 の電圧・ の電流は連続」という 2 大連続量。この対称性を押さえると、 回路と 回路の過渡現象が 1 枚の表で整理できる。蓄えたエネルギー は、スイッチを切ると火花や逆起電力となって放出される。

(1) 直後: コイルが電流変化を妨げるので電流は 0 (2) 十分後: コイルは電流変化がなくなり抵抗のように振る舞わない(起電力 0)ので (3)

別解

電流の立ち上がりを追うルート。 スイッチ直後、電池の 12 V はすべて自己誘導起電力に消える(電流 0 なので抵抗の電圧降下も 0)。電流が増えるにつれ抵抗の電圧降下が増え、自己誘導ぶんが減り、最終的に電流一定(自己誘導 0)で に漸近する。

「直後は電圧が全部コイルに、十分後は全部抵抗に」——RC 回路(直後は全部抵抗、十分後は全部コンデンサー)と逆の役割分担。電流の時間変化は指数関数的に飽和する(応用 a07)。

ポイント

  • コイル: 直後=断線、十分後=導線
  • コンデンサーと真逆
  • L の電流は連続(急変しない)

よくある間違い

  • 直後に I=E/R が流れるとする(コンデンサーと混同)
  • 十分後に電流 0 とする
  • エネルギーに直後の電流を使う