物理 / 電磁誘導と交流
レンツの法則
問題
円形コイルに、棒磁石の N 極を近づけた。(1) コイルに流れる誘導電流は、磁石から見てコイルのどちら側を N 極にする向きか。 (2) このとき磁石とコイルの間には引力・斥力のどちらがはたらくか。理由とともに答えよ。
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レンツの法則は『誘導電流は、その原因(磁束の変化)を妨げる向きに流れる』。N 極が近づいて磁束が増えるのを妨げるには、コイルはどんな磁極を磁石に向ければよいか。同じ極どうしなら引力か斥力か。
解答・解説
方針
レンツの法則: 誘導電流は変化を妨げる向き。N極が近づく=磁束増加→妨げる=コイルもN極で反発。エネルギー保存の要請。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 レンツの法則は「誘導電流は変化を妨げる向きに流れる」——この一言がすべての向きを決める。まず「何がどう変化しているか」を見る。
① 電流の向き。 N 極が近づく → コイルを貫く磁束が増加。これを妨げるには、コイルは磁石側に同じ N 極を向けて磁束の増加に逆らう。
② 引力か斥力か。 コイルの N 極と磁石の N 極が向き合う → 斥力(反発)。磁石は押し返される。
まとめ 「妨げる」の意味は深い——もし引力(近づくのを助ける向き)だったら、磁石は勝手に加速し、電流も増え……とエネルギーが無から湧いてしまう(永久機関)。レンツの法則はエネルギー保存の要請である。磁石を近づける手が感じる「押し返す抵抗感」こそ、電気エネルギーの源(手がした仕事が電気になる)。逆に N 極を遠ざけると引力(引き止める向き)——「近づけば反発、遠ざければ引力」でいつでも妨げる。
(1) 磁石の N 極に対してコイルも N 極を向ける向き(磁石の接近を妨げる向きの磁場をつくる) (2) 斥力(反発)。レンツの法則により、コイルは磁束の増加を妨げようとして磁石を押し返すから
別解
エネルギー保存から向きを逆算するルート。 もし斥力でなく引力だったら、磁石は引き込まれながら電流を生み、その電流がさらに磁石を引く——エネルギーが際限なく増える永久機関になる。これは不可能だから、必ず妨げる向き(斥力)でなければならない。
「妨げる向き=エネルギー保存」と理解すると、レンツの法則は暗記でなく必然になる——向きに迷ったら「もし逆だったら永久機関になる」と考えれば正しい向きが分かる。
ポイント
- レンツ=変化を妨げる向き
- 近づく N 極→反発(斥力)
- 本質はエネルギー保存
よくある間違い
- 引力とする(妨げる向きの逆)
- 電流の向きだけで磁極を答えられない
- 遠ざける場合と混同する