物理 / 電磁誘導と交流
RL回路の過渡現象(電流の立ち上がり)
問題
起電力 の電池、抵抗 、自己インダクタンス のコイルを直列につなぎ、 でスイッチを入れた。(1) 直後の電流 と十分時間後の電流 (2) 十分後にコイルに蓄えられるエネルギー (3) 電流 の時間変化のグラフの概形を描き、増え方の特徴を述べよ。
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コイルの2状態(直後I=0、十分後I=E/R)を出し、間の形を考える。電流が増えるほど自己誘導が弱まり増え方が緩やかに——『残りに比例して増える』飽和曲線。RC回路の電荷Qの増え方とそっくり。
解答・解説
方針
コイルは直後I=0、十分後I=E/R。過渡の形は『残りに比例して増える』飽和曲線(指数型)。RC回路のQと同じ増え方。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 両端の値は 2 状態変換で即決。間の形は「変化の速さが“残り”に比例する」構造から、初めが急で緩やかになる飽和曲線である。
① 両端の値。 コイルは直後=断線、十分後=導線:
② エネルギー。
③ グラフの概形。 各瞬間、電池の電圧は抵抗の降下 と自己誘導 に分かれる: 。電流が小さいうちは自己誘導ぶんが大きく急増、 が に近づくと が小さくなり緩やかに——上に凸の飽和曲線で に漸近する。
まとめ RL 回路の電流の立ち上がりは、RC 回路の電荷の増え方(標準の充電)と同じ形——「残りに比例して増える」指数型の飽和。コイル(電流が飽和)とコンデンサー(電荷が飽和)は、過渡現象でも同じ数学に従う。立ち上がりの速さは時定数 で決まる( 回路の に対応)—— が大きい・ が小さいほどゆっくり立ち上がる。「 の電流も の電荷も、急には変われず飽和曲線で近づく」——過渡現象の統一像である。
(1) 、 (2) (3) 電流は 0 から始まり、初めは急に、しだいに緩やかに増えて に漸近する(上に凸の飽和曲線)。RC 回路の電荷の増え方と同じ形
別解
電圧の配分で追うルート。 : 電流 0 なので抵抗の降下 0、12 V 全部が自己誘導に(だから最も急に増える)。: 電流一定で自己誘導 0、12 V 全部が抵抗に()。途中は「抵抗と自己誘導が 12 V を分け合い、抵抗の取り分が増えていく」——電流の飽和と対応する。
「直後はコイルが全電圧、十分後は抵抗が全電圧」——RC 回路(直後は抵抗、十分後はコンデンサーが全電圧)と役割が逆。この対比を押さえると、両回路の過渡が 1 枚で整理できる。
ポイント
- 直後I=0、十分後I=E/R
- 残りに比例して増える飽和曲線
- RC の電荷と同型・時定数 L/R
よくある間違い
- 電流が直線的に増えるとする
- 直後に I=E/R が流れるとする
- グラフの凹凸を逆にする(下に凸)