物理 / 電磁誘導と交流

斜面レール上の導体棒(エネルギー総合)

★★★ 応用電磁誘導エネルギー

問題

傾き の斜面レール(間隔 、抵抗 )上を、質量 の導体棒が斜面に垂直な磁場中を滑り、終端速度に達して等速で (鉛直方向)滑り降りた。(1) この間に重力がした仕事 (2) 抵抗で発生したジュール熱 を求め、両者が等しいことを説明せよ。 とする。

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終端速度に達した後は等速——運動エネルギーは変化しない。すると、重力がした仕事(位置エネルギーの減少)は、どこへ行ったか。エネルギー保存を、力学(重力の仕事)と電気(ジュール熱)の橋渡しに使う。

解答・解説

方針

終端速度=等速→運動エネルギー変化0。エネルギー保存より重力の仕事=ジュール熱。位置エネルギーの減少がそのまま熱に。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 終端速度=等速=運動エネルギー不変。だからエネルギー保存は単純になる——「重力がした仕事 = ジュール熱」(運動エネルギーの増減がない)。

① 重力がした仕事。 鉛直に 下がったので

② ジュール熱。 等速なので運動エネルギーは変化しない。エネルギー保存より、重力がした仕事はすべて抵抗のジュール熱になる:

まとめ 「位置エネルギーの減少 → ジュール熱」——摩擦のないなめらかな斜面なのに、棒は加速せず一定速度で滑る。失われた位置エネルギーは、摩擦熱ではなく電気を経由した抵抗のジュール熱になっている。これは電磁ブレーキ(電車の回生ブレーキ)そのもの——下り坂で車を電磁的に制動し、位置エネルギーを電気(→熱、または回収)に変える。「力学的仕事 → 電気 → 熱」というエネルギー変換の連鎖を、 という 1 つの等式で追える総合問題である。

(1) (2) 終端速度(等速)では運動エネルギーが変化しないので、重力がした仕事はすべてジュール熱に。

別解

時間をかけて追うルート(等速でない場合との対比)。 もし終端速度に達する前(加速中)なら、——重力の仕事は運動エネルギーの増加とジュール熱に分かれる。終端(等速)では になり、全部が熱になる。

「加速中は運動エネルギーとの分配、等速では全部熱」——エネルギー保存の一般式に運動エネルギー項を入れておけば、どの局面でも対応できる。等速はその特別な場合である。

ポイント

  • 終端速度=運動エネルギー不変
  • 重力の仕事=ジュール熱(mgh=Q)
  • 電磁ブレーキ・回生の原理

よくある間違い

  • 運動エネルギーの増加を計上する(等速なので 0)
  • 摩擦熱と考える(なめらかな斜面)
  • 斜面に沿った距離で mgh を計算する(鉛直高さ h)