数学B / 漸化式と数学的帰納法
フィボナッチ数列の指数評価
問題
数列 を 、 で定める。すべての自然数 について
が成り立つことを、数学的帰納法で示せ。
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3項間の漸化式に、1段仮定の帰納法は噛み合わない — 何段仮定すればよいか。仮定を漸化式に入れたあと、共通因数をくくり出すと、示すべきことが「ただの数の大小比較」1つに凝縮される。
解答・解説
方針
漸化式が2項前まで使うので、帰納法も「n=k と n=k+1 の両方を仮定して n=k+2 を示す」2段仮定型にする(出発点も n=1,2 の2つ)。仮定を足すと (7/4)^{k+1}+(7/4)^k = (7/4)^k·(11/4) — これが (7/4)^{k+2} 以下になるかどうかは 11/4 と 49/16 の比較に帰着する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は2項前までを使う漸化式。だから帰納法も「 の両方を仮定して を示す」2段仮定型が噛み合う(出発点の確認も の2つ必要)。
仮定を漸化式に入れると 。共通因数 をくくれば、示すべきことは
というただの数の比較1つに潰れる。 ✓。この1点の余裕が帰納の歯車を回す。
① 出発点。 ✓、 ✓。
② 帰納の段。 ある で と をともに仮定する。漸化式より
③ 定数の比較で締める。 だから
よって でも成立。①②③より、すべての自然数 で 。
まとめ: 「漸化式が2項使うなら、仮定も2つ・出発点も2つ」— 帰納法の設計は漸化式の形が決める。締めの比較 は (黄金比)で成り立つ — がぎりぎりではなく少し余裕のある定数であること、そして黄金比がフィボナッチの真の成長率であることが、この1行に透けて見える。
発展 — 一歩先へ。 同じ設計図を逆向きに使うと、下からの評価も作れる。 は ()を満たすから、 が回り、。フィボナッチ数列は と の指数関数ではさまれ、真の成長率はその間の黄金比 ()になっている。
証明(2段仮定の帰納法。急所は すなわち )
別解
黄金比で「ぴったり回る」評価を作る(なぜ で通るかの種明かし)。 じつはもっと鋭い不等式が、同じ設計図で証明できる。(黄金比、)として
出発点: 、 ✓。帰納の段:
が等号で成り立つから、評価が一切緩まずに回る。これが黄金比の特別さだ。
あとは から で、元の不等式が従う。
本解の比較 が成り立つ境目こそ 。 という定数は「黄金比より少し大きいから通る」— 問題の裏にある本当の境界線が、この別解で見える。
ポイント
- 2段仮定の帰納法(出発点は )。
- 共通因数をくくって に凝縮。
- を満たす なら同じ証明が通る(黄金比が境目)。
よくある間違い
- 1段仮定で書き、 の に仮定が使えず詰まる(2項使う漸化式には2段仮定)。
- 出発点を しか確認しない(2段仮定の帰納法は出発点も2つ)。
- を と指数を足してしまう(和は指数法則の対象外。共通因数でくくる)。