数学B / 漸化式と数学的帰納法
2乗の漸化式を対数で開く
問題
数列 を 、 で定める。一般項 を求めよ。
ヒントを見る
が の2乗に比例する — 掛け算と累乗の混ざった漸化式を、足し算と掛け算の漸化式(見慣れた型)に変換する道具は何か。全部の項が正であることを確かめてから使うこと。
解答・解説
方針
2乗が入る漸化式は、そのままでは追えないが全項が正なので対数がとれる。b_n=log₂a_n とおくと b_{n+1}=2b_n+1 — 特性方程式型の1次漸化式に変わり、b_n+1 が等比になって b_n=2ⁿ−1。指数に戻して完成。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は2乗のせいで、繰り返すと指数が雪だるま式に増える。多項式的な変形では追えない。
だが右辺は積と累乗だけでできている。積・累乗を和・積に変える道具は対数だ。全項が正( から帰納的に明らか)だから、 とおけて
見慣れた特性方程式型に変わった。あとは定石どおり解いて、最後に指数の世界へ戻せばよい。
① 正であることと対数化。 で、 なら — 帰納的に全項正。 とおくと
② 特性方程式型を解く。 より 。 だから は初項 、公比2の等比数列:
③ 指数に戻す。
検算: ✓、 ✓、 ✓。
まとめ: 「積・累乗の漸化式は対数で開く」— 変換すれば教科書の特性方程式型、戻せば という二重指数。増え方の桁が違う数列(、…)の正体を、対数が一枚で説明してくれる。
発展 — 一歩先へ。 は二重指数で、桁数そのものが毎回ほぼ倍になる( は約 桁)。「2乗する漸化式は情報量(桁数)を倍にする」— この増え方は、方程式の数値解法(ニュートン法)が1回の反復で正しい桁数を倍にしていく「2次収束」と同じリズムだ。
別解
指数だけを追って帰納法(対数を使わないルート)。 数項を計算して、 の指数に注目する:
指数は — どれも「 のべき 」だ。そこで と予想して帰納法にかける:
指数の計算 だけで帰納が閉じる。
対数化(本解)は「なぜ特性方程式型になるのか」まで説明してくれる王道、指数の帰納法は予想さえ立てば最短の脇道。 という本解の中間結果が、こちらでは指数の列としてじかに見えている。
ポイント
- 全項正を確認して 。
- → 。
- (二重指数の増え方)。
よくある間違い
- 対数をとる前に「全項が正」の確認を書かない(対数化の前提)。
- の展開で の2倍を落とす、または を忘れる。
- から と書く(指数の位置事故。 の肩に全体が乗る)。