数学B / 漸化式と数学的帰納法
不動点が2つある分数型漸化式
問題
数列 を 、 で定める。
(1) とおくとき、 が等比数列であることを示せ。
(2) 一般項 を求めよ。また、 を求めよ。
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まず を解いて「動かない値」を求めてみる — 2つ出てくるはず。1つなら逆数の置き換えだったが、2つのときは何をとると等比になるか。誘導の の形が答えを言っている。
解答・解説
方針
分数型漸化式の不動点(x=(4x−2)/(x+1) の解)は x=1, 2 の2つ。不動点が2つのときは「両方からのずれの比」b_n=(a_n−1)/(a_n−2) をとると等比になる、が定石。分子・分母それぞれを漸化式で計算すると公比 3/2 が現れる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分数型漸化式の急所は不動点(その値から動かない )だ。 を解くと 、つまり の2つ。
不動点が1つなら「ずれの逆数」で等差化する。2つあるときは「2つの不動点からのずれの比」 をとると等比数列になる。これがこの型の定石だ。
分子 と分母 を別々に漸化式で計算すれば、共通の分母 が約分されて公比が浮かび上がる。
① 分子と分母を計算する((1))。
辺々割ると( は から帰納的に保たれる)
よって は公比 の等比数列。
② 一般項((2)前半)。 だから 。 を について解くと 。分子分母に を掛けて整理すれば
③ 極限((2)後半)。 分子分母を で割ると
数列は不動点のうち に吸い込まれていく( が に対応)。
まとめ: 「不動点を先に求めて型を判定する」— 2つなら比 、1つなら逆数。極限が不動点の一方に落ちることまで含めて、分数型漸化式の全体像が1問に収まっている。
発展 — 一歩先へ。 公比 は偶然ではない。一般に の不動点が のとき、 の公比は になる(本問は )。しかも極限は、公比の絶対値が1より大きければ 側、小さければ 側の不動点に落ちる。不動点と公比だけで、数列の運命が読み切れる。
(1) (公比 ) (2) 、極限は
別解
分子と分母を別々の数列にする(線形化の種明かし)。 と分数のまま持ち、分子・分母を別々に更新してみる。
だから ()という連立の線形漸化式が取り出せる。和と差の要領でうまい組合せを探すと
つまり 、(初期値 の等比)。この2本から を復元すれば、本解と同じ一般項に着く。
種明かしはここからだ。本解の は、2つの等比数列の比にほかならない。だから公比は 。分数型漸化式の裏では、いつも連立線形漸化式が回っている。
ポイント
- 不動点 → が等比(公比 )。
- 。
- 極限は不動点の一方 。
よくある間違い
- 不動点を求めずに誘導の を天下りに使い、「なぜこの形か」を説明できない。
- から へ戻す変形( を について解く)で符号を誤る。
- 極限で を に対応させてしまう。 が発散するのは分母 、つまり のとき。